革新的でもなく、超絶技巧を誇るわけでもないけれど、小さな個性が光る
ジャズメンが数多くいた。 それがハードバップ全盛だったこの時代である。
そんなどうってことないピアニストの代表格が、このソニー・クラーク では
ないだろうか。 ソニー・クラーク が大好きでこそ、ハードバップを
聴く意味があるというもの。
ハードバップがいまだに人気があるもの、こうしたジャズメンの
存在が大きいと思う。 ソニー・クラーク はリーダー作こそ少ないものの初期は西海岸、1957年以降は東海岸で活躍し
サイドメンとしてさまざまなアルバムに参加していた。
さて、ブルーノート第3弾のこのアルバムはソニー・クラークの
代表作であるばかりではなく、ハードバップのベストセラー。
どれをとっても心地よいブルージーな佳曲。 そして全員が絶好調であることが分かるはずだ。
耳をそばだてるとジャッキー・マクリーンの『オイシイ』フレーズが頻出しているし
アート・ファーマーも叙情性おぼれた後期とは別人のように胸の空くプレイを見せている。
フィリー・ジョー・ジョーンズ、ポール・チェンバースのリズム・セクションもいい。
そして、ソニー・クラークのピアノが響いた瞬間、立ち上ってくる『ほの暗い』ムード。
このカッコよさをなんと表現したらいいんだろう
ソニー・クラーク/クール・ストラッティン
ジャズアルバム紹介 ソニー・クラーク/クール・ストラッティンを
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