拾ってくるのは親に似た。
宗二が生き物好きなのは、何度も書いているが、まぁ、春からこの頃までは色々な生き物がたくさんいるので毎日が楽しくて仕方がないようだ。特に夏はセミはいるしクワガタやカブトムシをゲットできるので夏休みも毎日のように外で生き物を探していた。アブラゼミを捕まえて児童館に持ち込み、「うるさいから逃がしてあげなさい」と言われると下着に忍び込ませて再び館内に入り込もうとしていた。何度も叱られても絶対に逃がさず、帰宅してからは名前をつけて可愛がっていた。(児童館の先生からは「宗二君、かわいそうだけど外で遊んでてもらいました~」と言われた。本っ当にうるさかったらしい、セミが。)ちなみにこのセミの名前は「ぼくのブローチ」君、友人からもらったクワガタは「かりすま美容師」だった。1週間ほど前には死んだキイロオオスズメバチを拾ってくるし、(それを焼酎に漬けて欲しかったらしい)先日も、登校班を送り出した瞬間に用水路に落ち、朝っぱらからシャワーを浴びて学校まで送る羽目になってしまった。「何をしていたのか?」と聞くとザリガニを探していたそうだ。頼むから、みんなの足を引っ張らないでくれ…そして、先日の日本列島を縦断した台風が去った翌日、また生き物を拾ってきた。久しぶりに水槽の大掃除をして、少し熱帯魚を補充するために旦那と子供たちが買いに行った。帰ってくると宗二がものすごく大きな声で興奮して家の中に入ってきた。「ママ、ママ!すごいもの拾った~!!!」そしてあたしの鼻先に差し出されたものはでか!おもわず走って逃げてしまった。名前は「かつ」だそうだ。なんとも情けない表情のイラストは龍一が描いたもの。ミドリガメがこんなにでかく育ったようなのだが…多分、川に捨てられたのだろう。土手からよじ登って道路を横断していたらしい。肉食なので人間が飼育するときにはウインナーや砂肝、レバーなどをあげるとよいそうだが、他にもザリガニや沢ガニなども大好物らしい。うちの前の用水路にはザリガニも沢ガニもいるので毎日、かつのために新鮮なザリガニを捕獲し、発泡スチロールのかつの家に投げ込んでいる。それだけでは飽き足らず、お食事が終わるとかつを抱えて用水路に放り込み無理やり泳がせたり散歩もさせている。それを聞いた旦那はお散歩しやすいように甲羅に穴を開け、リングをはめてそこにリードを通してあげた。というか、飼うの?そろそろ寒くなり、かつの冬眠の準備をしたほうがいいらしいのだが、そのままこの発砲スチロールが棺にならないことを祈りたい。9月22日●とんかつ2種 ささみチーズとロースカツ。●スパゲッティサラダ●大根葉とツナの煮浸し●わかめと油揚げの味噌汁9月23日●海鮮寄せ鍋●ぬか漬け9月24日●秋刀魚の塩焼き●きぬかつぎ●きのこの炊き込みご飯●キムチ●豆腐と長ネギの味噌汁9月25日●手作りコロッケ 面倒なのででっかく作ったらものすごい大きさに…●ほうれん草のおひたし●キムチ●珍味●にらとかき卵の味噌汁9月26日●あんかけやきそば 何かを食べたんだけど(画像なし) 足りなくて夜中にいそいそと作ったあんかけ焼きそば。9月27日●チキン南蛮●きゅうりとしょうがの浅漬け●わかめの酢の物●ジャージャー風冷やし中華9月28日●たこの刺身●カレーライス●いわしの南蛮漬け●ラッキョウ●枝豆●漬物●わかめの味噌汁そしてある日の昼下がり。下校時間が過ぎ、そろそろ帰ってくるかな、と気にしていると外で宗二の声が聞こえた。なのに、全然家には帰ってこない。何やってんだ?と外に見に行くと玄関の外で濡れたランドセルと開きっぱなしで上を向いている傘を発見。そして本人は雨の中、長靴を脱いで裸足で、ズボンを上までまくり上げ、勇ましくも用水路に入ってどじょうすくいを踊っていた。近づいてみると…ヒィィィ・・・・こんな小さいバケツで70センチ近くある鯉を捕まえたのだ。「ママ、かつの箱の中で一緒に飼おう!」毎日、かつの餌を探している宗二にとって朝晩の用水路の点検は欠かせない。保育園時代の、朝晩、決まった順序で石をひっくり返してだんご虫を捕まえるためにチェックしていたときと何一つ変わっていない…そしてこの日、家のすぐ近くでこんなにでっかい鯉を見つけてしまったので、急いでランドセルを放り投げ、壊してしまった網の代わりになるものを探してこの小さいバケツで何とか捕まえるのに成功したようだ。バケツの高さは鯉の魚体の半分以下だというのによく捕まえたな~というのが一番初めの感想。こんなに大きな鯉を飼うスペースも棲家もないのでリリースするように、と諭すが、苦労して捕まえたから、と頑として譲ってくれない。「でもさ、もしかしたらこんなに大きな鯉ってことはお父さんかもしれないよ。子どもの鯉が心配していると思うから放してあげなさい。」説得すること20分近く…やっと納得してくれたようでリリースすることに頷いてくれた。んが、「どうせなら仲間がたくさんいるところに帰してあげる」という条件付き。でっかい鯉を抱えた集団が雨の中、傘もささずにぞろぞろと歩いている姿は目を引いたようで通りかかる人たちは皆足を止める。そして次の瞬間、その鯉の大きさに目を見張る。もう恥ずかしいったらありゃしない。「鯉さ~ん、さよなら~。もう捕まるんじゃないよ~。」自分で捕まえておきながら都合のいい台詞を吐く宗二。やれやれ、と思った瞬間、正気に戻った。「宗!あんたびしょぬれじゃない!玄関で裸になって早くお風呂に入りなさい!」