翻弄される情報弱者
今回の選挙は、まぁ予想通りといえば予想通りなのだが、以前の郵政選挙のときの教訓がまったく生かされなかったな、と思った結果だった。当時あたしは自民党から離党した候補者に1票を入れた。なぜなら、小泉さんが推し進める「構造改革」というものが本当に必要だと思わなかったからだ。そのうえ、「小泉劇場」と称して連日報道される実のない内容や、「チルドレン」ともてはやされ、ただ小泉さんのイエスマンとしか思えない人たちの政治とは関係ない部分だけを取り上げる報道にとても違和感を感じていた事もそれに後押ししたのは確かだ。もしかしたら郵政民営化の結果として、表に出てこない、あるかどうかも分からない、郵政利権というものを解体できたのかもしれない。利益追求の民間がやらないようなサービスと引き換えに。子供が生まれるたびに学資保険の比較のために毎回、郵便局でプランを作ってもらった。2年ごとに出してもらったその結果、年を追うごとに簡保の内容は悪くなっていき、今年、あたしの保険が満期になり出してもらったプランでは比較するまでもなく、民間の保険会社のほうが断然いい内容だった。ある週末に、どうしてもまとまった金額を下ろさなくてはならなくなりゆうちょのATMに行くと、1日の引き出し金額の上限に引っかかり必要とした全額はおろせなかった。開いていた窓口に行くと「うちは別会社なので聞かれても困る」とつっけんどんに言われた。具体的な金額の出てこない利権と公共的なサービス。あれだけ痛みを伴う、と小泉さんに言われていてみんなそれを承知で投票したんじゃないの?(あたしは入れなかったけれど)その結果としての構造改革、「官から民へ」と自由競争型の社会を推し進められた。競争を促せば市場原理も進む、という考えのもと小泉さんは派遣労働を製造業にも解禁し、雇用コストの低い非正規労働者をどんどん増やした。改革するというのは、今までとは変わるわけだからどこかにひずみやゆがみが出てしまう。そしてこの不況。それでも競争しないとならない状態。こうなると人員削減が相次ぎ、仕事を失う人も後を絶たない事態になる。つまり、競争力を上げればその揺り戻しが失業・倒産として反映されるのは想像できること。でもそれも有権者が決めたこと。党が云々ではなくてその政策やマニフェストに対して国民がYES・NOと言った結果が選挙結果に反映されるのは当然だが、確かにそういう意味では今回の選挙は小泉さんの改革が実行された今のこの状態をどうにかしてほしい、という「民意」も含まれているのだろう。だが、あたしたち有権者がどのくらい現在の政府がしたことを知っているかと言えばほとんど知らないのではないだろうか?あたしだって、知りたくても知らせてもらう方法がなかった。だから、自分で調べるしかなかった。でも、それはおかしいのではないだろうか?何のためのTVなんだろう?前回も含め、選挙に一番の影響を持ったのがマスメディアだったと思うのだが、どうして「必要な」情報を流さないのか、それが一番不思議だった。それを不思議なことと捕らえて探した人たちはどれだけマスコミがニュースをワイドショー化しているのか分かったと思う。特にNHK。小さい子供を持つ母親は知っているかもしれないが、去年の年末、子供は冬休み中なのに大掃除やら買い物に行かなくてはならないあの忙しい12月29日に、NHK教育が「電力節減によるCO2を削減する試み」という名目でほとんど1日放送しなかったのを知っているだろうか?「ママ、ママ!テレビが壊れた!」そういって真っ暗な画面を指し示した子供たち。他のチャンネルを回すと写るので、はじめは放送事故かと思った。しかし、そうではなかった。詳細はこちら教育テレビ 12月29日(月)の放送時間短縮について12月29日(月)の放送時間は、後0:30~9:30の9時間です。定時の放送時間と比べた場合、前5:00~後0:30と後9:30~翌日前2:50、合計12時間50分短縮することになります。放送休止中は、アナログ放送の全国約3,100箇所の送信所で電波を停めることで、定時放送をおこなっている日に比べ、約17,000kWhの節電、CO2約9.4トンの削減となります。…だったらもうやめちまえ。何のために受信料払っていると思っているんだよ!そうすればチームマイナス6%どころか民主党が目指している温室効果ガスの25%削減もあっという間にクリアできることでしょうよ。NHKに対する不信感はこのあたりから今までよりも強くなったのかもしれない。それまでも、重要だと思っていた法案の行く末が気になっても国会中継をせずに、全然関係ない番組の再放送を流していたことが何度もあり、NHKはこんな重要なことを流さないなんてどういうつもりなんだろう?と思っていた。今回の選挙でも21世紀臨調が主催した党首討論について自民党は「テレビの地上波でノーカット放送すること」を麻生首相(当時)の参加条件としていたが、NHK と民放各局が応じなかったため、最終的に同党が譲歩したという経緯がある。これに対してNHKは「他の党首もいるので公平さを欠く」と言っているらしいが、21世紀臨調は2007年参院選の際も、当時の安倍晋三首相と小沢一郎民主党代表の党首討論を主催し、このときはNHKが深夜にノーカットで録画放送している。今回、どうしてあれほど民主党に有利な報道が数多く放送されたのか分からないのだが、そりゃ、1時間半もの討論を3分程度に編集すればどうにでも編集できるし、視聴者は一番大切なことを編集してニュースで放送していると思っているから(つか、それが当たり前のことだが)肩入れしているどちらかに都合の悪いことは流さなくても済むもんな~。そっちのほうが公正さに欠けるんじゃないか?などとうがった見方で見てしまう。1日の中で一番視聴率が良いのが水戸黄門の再放送、というTBSなんかは流しておけば視聴率が上がったんじゃないか、と思ったが。ブログを書く時間がなかったときにもずっとイライラしていた。なのでここの所溜まっていたことを数回に分けて書こうかな、と思っている。(あくまで子育て&ご飯ブログなのだが…)まずは今回の偏向報道とも言える今回のマスメディアについて。情報弱者、という言葉がある。それは何も新聞を読んでいて、ニュースを見ていれば情報弱者ではない、というのは間違いだ。なぜならTVでは放送されないことがたくさんあるからだ。そしてなぜ報道されないのかを考えて調べてみれば情報弱者の意味が良く分かる。漢字の読み間違いはさすがに「ありゃ、やっちゃったね」と思ったが、カップラーメンの値段を知らないって、そんなに恥ずかしいことなんだろうか?言っちゃ悪いけど、義父だってカップラーメンの値段なんて知らなかったよ。それだけで庶民の暮らしを知らないって…あれだけ騒ぎ立てる意味が分からない。あたしたちと同じ暮らしをして政治が良くなるなら誰だってしているはずだ。人には立場というものがあり、日本の総理大臣として海外では貴賓扱いされる人が貧乏ったらしい服装で行ったら、テーブルマナーを知らなかったら、高級なバーでの立ち居振る舞いを知らなかったとしたら、日本そのものの扱いがどうなるのか分かっていてそういうことをいえるのか?と疑問を持ってしまう。それはそれでまた馬鹿みたいにはやし立てるんだろうが。結局政策がどうとかではなく、ただ、人の揚げ足を取っているだけに過ぎない。もっと重要なニュースに時間を費やせよ。たとえば「外交の麻生」といわれている彼のG20での活躍は報道されていない。(少なくともあたしの知る限りでは)「危機をチャンスに変えろ」~G20サミットの舞台裏これをぜひ見てほしい。(音声が出ます)目からうろこが落ちた。これを見てひとつ気になったのは、この外貨準備金を「埋蔵金」として政府の財源に使ったとしたら、ということだ。世界同時不況というとても不安定な経済状況の中、経済という側面から外交をしている日本の立場が弱くなるようで不安だ。というのも、菅代表代行(当時)は2008年10月2日の記者会見で、外為特会の剰余金から一般会計への繰り入れを除いた積立金について「19兆円余りあると財務省も認めている。最終的に国会あるいは政府で判断すべきものということで、この活用は可能だということを確かめた」として、財源としての活用に前向きな考えを示しているのだ。国会も政府も民主党が占めている現在、絶対に使うな、とは言わない。だが…そしてもうひとつ。不可能、といわれたイスラエル・パレスチナ・ヨルダンの和平に向けての協議でも麻生さんは外相時代からこれまでの間に大きな進展をさせ、アメリカに「驚愕に値する。実現すれば奇跡だ。」と言わせた。詳細はこちら→中東に平和と反映の回廊を描けその後、2008年2月17日に伊勢原青年会議所設立30周年記念で行われた講演『これからの日本、そして地域に求められること…』で麻生さん自身がそのときのエピソードを話しているのだが、これを書き始めると長くなってしまうのでこれからの雇用などと絡めて別の日記で詳しく書きたいと思う。いずれにしてもこの動画を見ていかにワイドショー化して必要な情報を発信していないか、と言うマスコミに対する怒りがわいてくるのだった。選挙前には子沢山の家庭にインタビューし、今までの児童手当との差額がどれくらいだとか、「もらったら生活が楽になる」なんてものばかり放送していたが、あたしはマニュフェストの内容から生活が楽になるなどとはこれっぽっちも思っていなかった。それどころか控除がなくなり、今まで以上の負担ががかけられるだろうと思っている。そして実際に、選挙前にはまるで政権交代したら夢のような時代がやってくるかのような報道が、組閣人事が固まったころから雲行きが怪しくなってきた。いまさら、不安をあおってどうなるの?一度決まったものをやめることは、これからはじめるよりもとても労力も金銭的負担もかかるものなのだ。結婚するのと離婚するのではどちらが大変か考えると分かりやすい。ばら撒き、程度の批判しか言われていなかったこれらのことが、今になってもっと具体的に批判され始めるくらいならなぜ初めからその話をしなかったのか。いまさら財源は?だのそれ以上の税負担だの言われて戸惑っている人はたぶん、たくさんいるはずだ。マスメディアは真実を報道する姿勢から視聴率を上げるためにマッチポンプの盛り上げ方をしているだけのように思えてならない。それは今年の夏、まるで連続ドラマを見ているかのような酒井法子の件を見ても思う。何度も同じ映像を見せられてもううんざりだ。今まで何度も書いているが、疑問に思ったことは、自分で調べ、「玉石混淆」の中から真実を見つけ出す努力が必要だと思う。