ハムレットすぎてオフィーリア
え?どっちなの?と悩むことは多い。先日、ご近所の井戸端奥様、サト子ちゃんから「なんか学校にね、『エコカイロはお湯で温めなくちゃならないから不経済だ』って苦情を言った保護者がいたみたいだよ。それでエコカイロは学校に持って行っちゃだめらしい」と聞いた。あたしが住むところは連日最低気温は氷点下。そろそろ子どもたちにカイロを持たせるか、と思っていた矢先の話だった。龍一が帰宅してからカイロの話を聞いた。すると「エコカイロがダメとは言われないけど、使い捨てカイロは年寄りくさいからやめなさい、とは言われた」担任の先生によってその見解が違うらしく、どうせなら学校としての指針を示してもらえればいいのだけど、出せば出したで文句を言う親がいるのだろうか。エコと言ってもエコじゃない、ということで思い出したのが「子どものオムツ」だ。布オムツ派は「何度も使えて経済的でごみの量も少ないから環境に優しい」と言う。紙おむつ派は「布オムツは洗濯をするのだから水を使うし、洗濯排水を考えると必ずしも環境に優しいとはいえない」と言う。ペットボトルのリサイクルは実際はエコじゃない、という議論もある。石油から1本のペットボトルを作るのに2倍の重さの石油を使う。リサイクルをするのにはペットボトルの重量の7倍もの石油が必要だと言えば、反論派はマテリアル・リサイクル(ペットボトル→繊維の原料)だと石油は重量の1/5以下で済むと反論する。基準がないからどこで見るかが問題なのだと思う。費用対効果なのか、有限資源の保護なのか。それらすべてをひっくるめ「環境問題」という枠に入れても無理があるような気がする。 11月28日●マグロのすきみの刺身●マグロのから揚げ …なにげに、まぐろ祭り。●きんぴらごぼう●白菜の漬物●キャベツの巣篭もり味噌汁11月29日●握り寿司 スーパーで とても身が厚くておいしそうなイカが誘ってきたので こりゃ寿司を握ってもらおう、と ついでにさんまも。●湯豆腐 今年の我が家のマイブームは木綿豆腐の湯豆腐。 去年はぶりシャブを思いつめるように食べていたというのに。●白菜の漬物 母から「まだ漬けてないの?持って行きなさい」ともらった。11月30日●肉団子 レタスの上に 細く切って揚げた餃子の皮(あまったものを冷凍しておいた)を敷き、 甘酢あんにからめた肉団子を乗せて。●野沢菜のおひたし ●チャーハン●聖護院大根としめじの味噌汁12月1日お出かけしていて遅くなってしまったので買い弁。とろろ昆布のお吸い物と塩辛だけかろうじて用意。12月2日●イカとたらこのスパゲッティ●トマトサラダ●ジャガイモのハーブ焼き 有機栽培のきたあかりを購入したので その持ち味を生かせるように味付けはシンプルに。 ローズマリーと塩コショウ・にんにく、仕上げにあさつき。●ロールキャベツ 味付けはコンソメ。12月3日●酢豚●かにかまのかに玉風 たけのこの千切りとかにかまを入れた卵焼き。 あんはウエイパーと酒・塩コショウで味を調えて 片栗粉でとろみをつけて仕上げにごま油とあさつきを。●カブの甘酢漬け●豆腐とわかめの中華風スープ 半端に残っていた醤油ラーメンスープで。12月4日●赤魚の粕漬け●ほうれん草グラタン●青菜ご飯 大根の葉っぱにさっとお湯をかけ、 みじん切りにして塩もみしたものをご飯に混ぜて。●塩辛●小松菜とわかめの味噌汁●トマト●カブの甘酢漬け自治体から子どもの新型インフルエンザワクチン接種の無料接種券が送られてきた。うちは副反応がひどいので季節性インフルエンザの予防接種は毎年していないのだが、それに加えて新型インフルワクチンに対してはその有効性、安全性の面からどうするべきか悩んでいた。国産の新型インフルワクチンはこれまでの季節性インフルワクチンと同じ製造方法なので同様の有効性・安全性は期待できるらしい。だが、輸入ワクチンについては国内で使用経験のない『アジュバント(adjuvant:免疫補助剤)』が使われていることや細胞培養による製造法が用いられているなど、安全性について不透明なところがある。国産では鶏卵によってウイルスを増殖させる鶏卵培養で製造されているが、ワクチンが出来上がるまでに半年かかり、量産することが難しい。そこで緊急対策として輸入ワクチンを使用することを決めたのだが、アジュバントと培養方法、国産との違いはこの二点ある。細胞株を用いた細胞培養は鶏卵培養よりは生産効率は高いのだが、使用される細胞にがん原性は認められないものの、腫瘍原性があるとされているので使用にあたっては特に慎重を期すべきだという懸念も専門家の中から示されている。アジュバントとは、主にスクアレンやアルミナなどの揮発性化学物質で作られるが、ワクチンに加えると体内に免疫反応が引き起こされることから、ワクチンを薄めるのに使われる。 同じワクチン量で最大10倍まで薄めて使用できるらしいので多くの人たちへの接種が可能になる。だが、このアジュバントが大きくクローズアップされたのは90年代の「湾岸戦争症候群」だろう。湾岸戦争の帰還兵が記憶障害や倦怠感、関節痛、皮膚の痛み、など症状はさまざまであるが病状がひどく、働けなくなった者や自殺を図った者もいる。この原因が細菌兵器に備えて接種した炭疽菌ワクチンのアジュバントによる副作用ではないか、という意見だ。 軍はこの症候群とワクチンは無関係であると主張し続けているし、実際に湾岸戦争で戦った兵士たちは劣化ウラン弾などのさまざまな有毒物質にさらされていたのでアジュバントの副作用だと確定することは難しいのだが、出兵せずワクチンを接種された兵士にもこの症候群が出ていることから、ワクチンとの関連を強く疑われている事も事実だ。日本に輸入されるワクチンはスイスのノルバティス社とイギリスのグラクソ・スミスクライン社の2社だが、新型インフルの輸入ワクチン、スイスなどに調査団派遣へカナダの衛生当局がグラクソ・スミスクライン(GSK)社製の新型インフルエンザワクチンの使用中止を決めた。接種後に通常よりも高い比率で重い副作用例が出ているためだ。日本では、優先接種の象者5400万人は国産ワクチンを使用するが該当しない人(小学校高学年・中学生・高校生・基礎疾患を有しない65歳以上の高齢者)には輸入ワクチンを割り当てる計画だ。もし、うちの子供たちに新型インフルのワクチン接種をするにしても国産が使われるのだとホッとしたがちょっとまってぇ!健康な65歳以上の方には輸入ワクチンが割り当てられるの?「品質の問題考えにくい」 英社ワクチンで厚労省」「新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済に関する特別措置法」が12月4日施行されたが、製造元はワクチンによって引き起こされた副作用について責任を負わなくてもいい、ということになる。海外のワクチン製造業者・輸入代理店・医療従事者は副作用免責でノーリスクハイリターン、ということは接種する人だけがハイリスク…?そして国も「こういった救済措置を講じているでしょ?」といえる。あたしは予防接種を否定しているわけではない。あくまで自己責任で行って欲しいというだけだ。だが、保護者として子どものことを考えるとインフルエンザに限らず、子どもが予防接種をせずに罹患し、症状が悪化してしまうリスクと予防接種をしたがために副反応として重い障害が残ってしまうリスクと天秤にかけてしまう。先生たちもそういった説明をしたあと「で、お母さん、どうしますか?」と判断をゆだねる。あたしたちが子どものころにはインフルザワクチンは集団義務接種として学校で行われていた。それがいつの間にか義務ではなく任意接種に変わったのは国がリスクと効果とを天秤にかけた結果なんだと思う。…だから本当に、悩む。子どもの副反応を見たからなおさらだ。ちなみに龍一がおこした副反応は高熱とそれに伴う熱性痙攣だった。体が硬直して呼びかけにも答えず痙攣しているあの姿は今でもやるせない気持ちと心に針を突き刺したような痛みとともに思い出してしまうので、やるべきか やらざるべきか逡巡して気が狂いそうになるのだ。