震える肩
4月3日この日は入学式前日。なのに、保育園役員の収支報告書の打ち合わせだそうな。それを聞いたのが、この日の朝7時。で、「じゃ、書類はどうすんの?」まだ肝心な書類が出来ていない。というよりも、うちが作る手はずになっていたのだが、領収書すら届いてないじゃん。会長はすっかり忘れていたようで、あたしは一日かけてこの打ち合わせに間に合うように役員の家を回り書類を集めて子供たちを連れてきたルビーちゃんちのダーリンとああでもない、こうでもないと話し合いながら夕方までにはなんとか仕上げる。お泊りしていた上2人を送ってくれた義母には「なんでここの家の子供がいないのに他の家の子供がいるのか?」と訳の分からない嫌味まで言われて…あたしも今日はやりたいことがあったよ。宗二の入学準備の買い物だって出来ていない状態だったから。でも、優先順位を考えればやらなければならないじゃん。そんなわけで旦那は不在にて簡単に。●冷やしトマト●三色野菜のナムル ほうれん草・ニンジン・もやしはさっと茹で、 冷めたら塩コショウ・砂糖と醤油少々・すりごまをドバッと入れ、 混ざった所でごま油を入れて仕上げる。 これがあたしのビールのつまみ。●ビビンバ丼 ナムルをご飯の上に敷き、焼き肉のタレで焼いた牛肉と 温泉卵をのせたもの。 これは子供用。●わかめスープ 今回はかつおだしベース。 これにウエイパーと酒少々を入れ、塩で味を調える。 わかめや半端に残ったナムルの具を入れて出来上がり。4月4日この日は入学式。式が終わり、お赤飯などを義実家に届け、遅い昼食を水棲妖怪回転寿司屋でとる。帰宅してスーツを脱ぎ、片付けを終えて「ちょっくら家族全員で昼寝でもするか!」と寝て…あたしが気付いたのは10時。もちろん、夜。やらねばならんことが片付きホッとしたのとそれまでの疲れがドッと出てしまったんだろうな。旦那を起こすも「子どもたちは寝かせてやれ」といいつつ奴もそのまま寝てしまった。そこであたしは戸締りをしてビールを一本飲んで寝た。4月5日この日、やっと宗二の入学準備の品物を買いに行けた。だが、雑巾縫いだの、袋作りは出来ていないどころか布さえまだ買っていない始末。みんな、前日には全て持って来て、ロッカーに片付けたというのに…●お赤飯 入学式の夜にいただこうと思っていたお赤飯。 寝過ごしてしまったので1日遅れでいただいた。●ブリの塩焼き●お好み焼き 上の2品は前日用に準備しておいたものだったのだが、 買い物をしていたら無性にお好み焼きが食べたくなったので ちぐはぐな献立だが、お好み焼き。●大根の漬物 市販品。●チャンジャ これも市販品だが、とてもおいしかった。 大量買いしておいてよかった。4月6日うちの登校班ではピカピカの一年生が3人。黄色い帽子をかぶり、大きいランドセルを背負って、元気に登校した。この日はお迎え当番。ほんの3時間ほどだったのに、子どもたちはやり遂げた嬉しさというのか、知っている親の顔を見てホッとしたというのか、今までしたことのないような表情を見せて、なんだか大人びてみえた。●トンカツ 一口とんかつ用、というもも肉の部分。 財布が軽いので節約ということで。 千切りキャベツと新じゃがサラダを添えて。●サラダ トマトと板ずりして麺棒でブッ叩いたきゅうりを すりおろしなんとか、というドレッシングで和えて。●大根の漬物&チャンジャ 前日と同じ。●味噌汁 具は大根と油揚げ。4月8日この日もお迎え当番。早速宗二は隣に座っている子と喧嘩して先生に怒られた話をする。「でもね、みんながおしゃべりしていた時に俺だけ先生の話を聞いていたら『宗二君すごいね』って褒められたの~」と嬉しそう。●新じゃがの煮物●トマトとウインナーと卵の炒めもの●ハタハタの塩焼き●味噌汁 具はキャベツと油揚げ。 最近こればっか。 でも、キャベツの甘みがとても美味しい、と 子供達がよく飲むのでまぁ、いいや。●チャンジャ4月9日今日は誰かさんの誕生日。ということで一品増量&ケーキワンホール付き。●かに 生のカニが売っていたので 10分ほど塩を入れたお湯で茹でた。●豆腐ステーキ もやし・えのき・シメジで作ったあんをたっぷりかけて。●マグロブツ 先日いただいたマグロの頭の所。●味噌汁 具はわかめと大根入学式は卒園式とうって変わってとても楽しい式になった。まず、式が始まるまで他のおかあさんと話をしていたあたしはある人を発見して吹き出してしまった。そこで隣にいたサト子ちゃんにこう聞いてみた。「ねぇねぇ、あの人、これから壇上にあがってYes,We Can!って演説するのかな?」え?という感じであたしが指した人を見たサト子ちゃんはブッと吹き出した。もうね、オバマそっくりな父兄がいたのよ。多分、ブラジルの人だと思うのだが、式のためにスーツを着ているし、どう見てもオバマにしかみえない。彼に気付かれないように二人で肩を震わせているとそろそろ式が始まる、というアナウンスが。そして緊張した面持ちで入場してくる子供たち。あたしたちは真ん中辺りに座っていたのだが、子供達が席につくのを見届けてふとあたしの左手側を見ると斜め前にオバマが座っていた。今度は旦那に「ねぇ、オバマは貴賓席に座るんじゃないのかな?」と振ってみると、今度は旦那が肩を震わせる。子供を撮る振りをしてオバマの写真を撮ろうと思ったのだが、右手前方に子供がいるのに左を向いて写真を撮るのは不自然なので断念。でも、本当に誰がみてもそっくりだというくらい似ていた。式も中盤にさしかかり、笑いの発作がおさまった頃。今度は隣に座っていたユーヤのとうちゃんがこんな事をつぶやいた。「ユーヤ、上を向いて寝てるわ。」このつぶやき声はかなりの広範囲に広がったようでこれを聞いて確認した瞬間、あたり一帯の人波がいっせいに肩を震わせて揺れた。笑いの波は波紋を描くように徐々に周りに広がっていく。そして、多分、みんなこう思っただろう。いつ起きるんだろう?もうこうなれば、自分の子供どころじゃない。そしてその瞬間がやってきた。「それでは新一年生たちが歌を歌います。起立!」みんなが一斉に立ち上がる中、上を向いて口をあけて寝ていたユーヤは慌てながら駆け寄った先生に揺り起こされ、そのざわめきの中、やっとみんな声を出して笑うことができたのだった。