寿限無と芥子と億劫と
義父が亡くなり、一連の式の中で、菩提寺のお上人様の話を数多く伺うことが出来たが、信仰を持たないあたしにとって、仏教の考え方をとても分かりやすく教えていただく良い機会でもあった。その中のひとつとして「未来永劫」という話が出た。一般的な意味は「これから未来にわたる、果てしなく長い年月。永遠。」などとあるが、もともと仏教用語だったそうで、その中の「劫」の意味を教えてくださったのがとても興味深かった。劫(コウ)とは、とても長い時間、または永遠を意味する仏教用語で、一劫というのは一辺40里の岩を三百年に一度、(三年に一度、百年に一度、という説もある。)天女が舞い降りその岩を羽衣で撫で、その岩がすり切れてなくなってしまうまでの時間のことを言うのだそうだ。つまり、一劫でもそれだけ長い時間、それが未来まで「永」く続く、という話だったのだが、その話を聞きなぜかとても感動したのを覚えている。調べてみるとこれを「盤石劫」と言うのだそうだが、他に「芥子劫(けしこう)」というのもある。これは一辺40里四方の大きな升に芥子粒を満たし、100年に1粒ずつ取り出して、全てなくなる時間、だそうだ。また「微塵劫(みじんこう)」というのは海岸の砂浜の微塵の砂を数えることが出来ないほど長い時間という意味だそうだ。ところで、「寿限無」という落語があるが、これは自分の子供に幸せになってほしい、という親心から縁起の良い名前をつけたらとても長い名になってしまい、そこから起きるさまざまな喜悲劇の噺だ。この子どもの名前は「寿限無、寿限無 五劫の擦り切れ海砂利水魚の水行末(すいぎょうまつ) 雲来末(うんらいまつ) 風来末(ふうらいまつ)食う寝る処(ところ)に住む処やぶら小路(こうじ)の藪柑子(ぶらこうじ)パイポパイポ パイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命(ちょうきゅうめい)の長助(ちょうすけ)」なのだが、このなかに「五劫」と出てくる。つまり、40里の岩が5回擦り切れるまで、というとんでもなく長い時間のことを言っている。「劫(こう)」とはあまり聞きなれない言葉だと思っていたが調べてみると案外使われているのだ。9月15日●牛タン塩ねぎ焼き●ほうとう そろそろ肌寒い日も増えてきて、 こういうおなかの中から暖かくなるものが欲しくなる。●もずく9月16日●豚足●鶏モツ炒め●スパゲッティサラダ●卵雑炊●穂先メンマ●スープカレー 久々に、お気に入りのスープカレーの素を購入。 我慢できなくなった旦那が夜食で。9月17日●麻婆豆腐 今回は少し甘めの味噌ベース味で。●春巻き いつもは春雨を使うけど、今回しらたきで代用してみた。 これはこれで歯ごたえもあって美味しかった。●えびサラダ 頂き物のフォロのドレッシングを使って。 濃厚だけど味自体は濃すぎなくて醤油ベースのさっぱりした味。●わかめと豆腐と三つ葉の味噌汁9月18日●ごぼうサラダ●たらこ茶漬け●きゅうりスティック●焼き鳥 砂肝・ねぎま・鶏レバー そういえば、大将を購入してから 一度も自宅で焼き鳥をしてなかったな~。 ということで下ごしらえをしているとホッシーが 遊びに来た。ホッシーも「うまい!」とよく食べた。 あ~、大量に仕込んでおいてよかった。●えのきバター9月19日●ひじきの炊き込みご飯●クリームシチュー●サーモンの刺身●きゅうりの浅漬けこの日もホッシーが顔を出した。で、ひじきのおにぎりとクリームシチューを出す。今、奥さんと喧嘩中で実家に戻っているホッシー。2日連続でダメ出ししたりどうしたらいいか、アドバイスはしたものの…夫婦の問題は二人で話すべきだな。親兄弟が介入するとこじれるだけだ。どうなってしまうのか心配だけど…9月20日この日、久々の魚え~セットが到着。今回の内容は○カワハギ 2匹○カイワリ 2匹○イトヨリ 2匹 ○ワタリガニ 1匹○サゴシ 大きめ2匹○キンタロウ 7匹 という結果。 お彼岸のお墓参りのあと実家にもって行き、母と妹と一緒に食べることにした。もうすぐ入院する母のために、一度くらい旦那が握った寿司も食べて欲しかった。そんなわけでワタリガニは蒸して、あら汁を作り、あとは簡単なおつまみ。喜んでもらえたようで良かった。9月21日●坦々麺 と言っても子供も食べるので、肉味噌の豆板醤は抜いて、 スープにはたっぷりと練りゴマを入れた。 子どもたちはとても気に入ってくれたので 近いうちにまた登場しそうな予感。●大根葉のおひたし そろそろおろぬきの大根葉が安く出回ってきた。 苦味も少なくて美味しいんだよね。●キンタロウの塩焼き この魚は初めてだったので どんな調理の仕方をすればいいのか迷ったが、 シンプルに塩焼きで。 肉自体が噛めば噛むほど味が出てきて美味しい魚だった。 あえて言えば少し小さくて骨が硬いのが難点か。劫を使う言葉はたくさんある。他には「亀の甲より年の功」もともとはこの「功」は「劫」だったそうだ。また、「おっくう」というのも「億劫(おくこう)」が訛った言葉だそうだ。つまり劫が億もある、ということなのだが、日常では面倒くさい、煩わしい、うるさい、うざったい、憂鬱、ややこしい、厄介、かったるい、無精、手間が掛かる、などの意味で使われる言葉だ。与謝野晶子『草の夢』の中に「劫初よりつくりいとなむ殿堂にわれも黄金の釘一つ打つ」という有名な歌がある。劫初とはこの世の初めのこと。この世の初めから、人々の築き上げてきた芸術という名の殿堂に、私も黄金の釘の一つを打つような活動をする、と彼女の意気込みを表している歌である。っつーことで、たったひとつの漢字でこんなに長い記事を書いたにもかかわらず、億劫がらずにここまで読んでくれた人に感謝。