テーマ:韓国!(17265)
カテゴリ:韓国の中学校
中学校では、時々、父兄対象のちょっとした講演会が開かれる。 希望者参加で、参加者はいつも、それほど多くはない。 今日あったのは、「校内暴力」に対する講演会だった。 韓国では「学校暴力」と言う。 あまりピンとこないタイトルだったけど、最近 「いろんな情報を吸収することは、とても重要なこと」 と思い始めたため、行ってみた。 講演者は、「学校暴力被害者家族協議会」の会長の、50代の女性だった。 ご自分の娘さんが、9年前の中学生の時に、校内暴力の被害者となり、集団暴行を受けて、5日間昏睡状態、その後、長く精神科治療を受けたそうだ。 当時、韓国ではまだ「校内暴力」という言葉も無く、何の情報も相談機関も無い状態だったので、この講師のかたが、自分でいろいろ勉強したり、いろんな組織を作って、学校や警察、教育庁などに働きかけてきたそうである。 体験者の話だけに、非常に現実味があった。 今、校内暴力の被害者や加害者と実際に会う仕事をしているそうで、実際に起きた事件の実例をいくつも聞いて、驚きの連続だった。 我々の多くは、そして特に韓国人は、 「うちの子は大丈夫」 と思いがちである。 はんらも、心の底では、そういうふうに思ってるかも。 だって、中2のコーちゃんは、声変わりしてオッサンみたいな声になっても可愛いし、 スネ毛ぼーぼーでもカワイイ。 170センチ超えた今でもシャワーのたびに、はんらの前でオールヌードを披露してくれて、図体デカくても、まだまだ子どもにしか見えない。 コーちゃんの友達も、まだまだみんな可愛く見える。 でも 「うちの子だけは大丈夫」 というのが当てはまる子は、世の中に一人もいない、とおっしゃっていた。 加害者の大部分が、幼馴染だったり、同じ小学校や塾出身だったり、よく遊びに来てた子、なんだそうだ。 最初は、冗談で、からかい半分に始まったのがエスカレートしていくのがほとんどで、 あまり親しくもなかった子同士が、加害者、被害者になるケースは、もっとずっと少ないんだそうだ。 昔から、殴り合いの喧嘩をする子はどの時代にもいたが、 今は、集団で一人の子を攻撃するために、死亡したり、障害が残るケースが非常に多くなっていると言う。 また、最近はニュースや、社会問題を扱うテレビ番組が、過激な映像やショッキングな内容を報道することが多く、それを見た青少年が、模倣犯罪を起こすケースが増えていて、非常に問題になっている。 「いじめ」の方法も、マスコミに報道された方法が「流行」するんだそうだ。 被害者は、精神障害で長く病むケースが多いが、 はんらも知らなかったが、いじめで精神障害が生じて精神科に通院したとして、精神病の病歴があると、保障性の保険に加入できなくなるそう。 講師の娘さんも、精神病の病歴があるため、ガン保険を始め、どんな保険にも一生加入できないと言う。 韓国では、1週間ほど前に、少年法が改正されたそうで、10歳(これは、満なのか、数えなのか、わからなかったが)以上は、処罰の対象になるそうである。 ここで問題は、例えば、子供同士が喧嘩してたとする。 正義感の強い、少年Aくんが、仲裁に入ったとする。 喧嘩を見た人が通報して警官が来ると、その喧嘩の場に一緒に混じっていたAくんも、一緒に引っ張られて行ってしまうんだそうだ、今の韓国の法では。 講師は、問題児や不良少年たちが教育を受ける機関で、Aくんのような子を何人か見かけた、と言っていた。 「今の韓国社会では、理想と現実は違うんです」 と講師。 公園で遊んでいて、乗り捨てられていた自転車に、ちょっと乗って遊んだとする。 それを、もし通報する人がいたら、もう「窃盗罪」なんだそうですね~。 自転車に乗った友達を、ただ傍観してただけの友達も、「共犯」になり、 なんと、2人以上の窃盗は「特殊窃盗罪」となり、罪はもっと重くなるんだとか。 おまけに、窃盗罪に「無罪」は無いらしい。 通報されたら、もうアウト。 そんなこと、はんらも知らなかったけれど、少年達も誰も知らないことなので、親が、よく教えてあげなければならない、と言っていた。 法律的なことは、ややこしいことも多そうで、例えば、いじめも、一旦、警察に通報してしまったら、もう学校は調査から手を引かなければならなくなっているとのこと。 警察が介入すると、簡単なことがさらに厄介に複雑になってしまうことが多いので、頭に血が上って、警察に駆け込む前に、何が最善の道なのか、考えたほうがいい、とのこと。 ホンの冗談、からかいから始まり、最後にはエスカレートして、被害者も加害者も、一生を台無しにしたり、 自殺したり、 というようないじめの実例の話を聞き、オンマたちはみんな、涙、涙、涙だった。TT 「被害者も加害者も、その家族をも、すべて不幸にする校内暴力。 私たちの子ども達を守るのは、私たちしかいない。 無関心では何も解決しない。 みんなが関心を持って、不幸になる子が一人も出ないように、力を合わせるべきだ」 という講師の言葉に、共感した。 韓国の少年法、その他には、まだ不備なことや、被害者の子どもに不利なことがた~くさんあるそうで、その改善を求める署名なども、特にソウルなどの大都市では、よくやっているそう。 アメリカ産牛肉反対もいいけど、こういう署名運動を見かけたら、ぜひ協力してあげてください~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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