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書評日記  パペッティア通信

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Dec 11, 2006
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カテゴリ:音楽・文化
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▼   ドラマ版『のだめ』を聴いてしまったせいか、ブラームス狂いが再発してしまった。 おかげで、何十枚もあるブラームス全集を再び探し出す日々を送っている。 理想のブラームス演奏にはとっくに出会えている、というのに、僕は何枚買えば気が済むんだろう。


▼   とりあえず、クルト・ザンデルリンク『ブラームス交響曲全集』ベルリン交響楽団を持っていないので、それを買いたくて仕方がない。 評判がいい交響曲全集だけど、若干高い。 初心者はやめておいた方が無難なのだけど。


▼   漫画『のだめ』のフランス編をすでに読まれている方は、ご存じだと思うが、今現在、のだめはフランスに留学している。 そこで、アナリーゼという、楽曲分析のクラスに参加。 友達になったリュカと、楽曲の分析にいそしむのだけど、最初のお題は、ブラームス交響曲3番、第3楽章である。 


▼   うーん、アナリーゼには驚かされたなあ。 恥ずかしながら、僕は、未だに「調性が変わったね」と指摘されても、分かんない人間なので。(笑)


▼   そんな、クラシック初心者が騙されやすいのが、音楽評論家、宇野功芳氏である(笑)。 とにかく、この人のクラシック評論に騙されて泣いた人間は、吉田秀和の比ではないだろう。 とにかく、偏りすぎ。 指揮者だと、モロに現れてしまう。 朝比奈隆を褒めちぎり、小沢征爾をけなしまくる。 ヴァントは持ち上げるが、チェリビダッケは嫌い。 フルトヴェングラーとワルターとムラヴィンスキーは礼賛するが、トスカニーニやカラヤンは「親の仇」のようだ。  


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▼   たしかに、この人のおかげで、フルトヴェングラー指揮『シューマン交響曲4番』とかの絶品にも出あえたけれど、クズも随分とつかまされた。 所詮、評論家と趣味があわないと、クラシックは聴いても感動はしないもの。 その辺、『のだめ』でにわかに興味を持たれた方は、十分、注意してほしい。 あなたの感性を評論家に合わせる必要などありません。 


▼   そんで。


▼   そんな宇野功芳氏のお薦めの名盤CDのひとつに、ドイツ人、クナッバーツブッシュ指揮『ブラームス交響曲3番』ベルリンフィル、1950年、というものがある。 『クラシックCDの名盤』(文春新書)でお薦めとされている。 宇野功芳のクラッシク業界における罪状(功績?)のひとつは、「クナッバーツブッシュとシューリヒトの発掘・普及」というのがあるだろう。 


▼   おそらく、ここまでクナッバーツブッシュが持ち上げられるのは、日本クラシック界くらいなものではないか?  この人は、メジャーではなく、マイナー・メジャーな指揮者だったし。 ワーグナーやブルックナーの素晴らしさを力説してくれるのだが、あいにく、「ブルックナーは神の音楽だぞ!!」と力説されても、神ならぬ人でしかない私には、理解できない。  


▼   そんで、偶然、この『ブラームス交響曲3番』(ベルリンフィル、1950年)のCDを中古CD屋で600円で発掘してしまったのだ。 冒頭の画像CDにも収録されているのだけど、海外版でちがうもの。 とにかく、狂喜乱舞しましたね。 こんなに安ければ、買ってもいいだろう。 


▼   聴いてみた。 


聴いてみた。


聴いてみた。








▼   なんですか、これは。(笑)  


▼   一読して大爆笑しましたね。


▼   冒頭が凄い大爆音。 「天地創造」って、宇野先生、そりゃ、言いすぎでしょう。 金管が唸りをあげて、ファンファーレを吹き鳴らし、凄まじいテンポ・ルパート。 なんつったって、普通のブラームスを聞き慣れている身にとっては、音楽が「止まる」「止まる」。  ほとんど、冗談にしか聞こえない怪演奏のたぐい。 (笑)


▼   というか、ブラームスじゃないだろう、これは(笑)。  許光俊は、「クナッバーツブッシュ受容は、偉大な芸術家とゲテモノ演奏家の2通りある」と書いていたが、まさしく、ゲテモノの類。 こんな演奏をブラームスの名盤でござい、と薦めるのは、さすがにどうかしていると思う。 こういうのは、通常、どのような演奏がスタンダードなのか、理解した上で聴くべきだろう。


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▼   この人のブラームス3番でも、↑こちらの1944年版の方は、ここまで「狂っていない」演奏だけど、彼にブラームス演奏を求めるのは、酷だろう。 普通に、チェリビダッケや、ザンデルリンク、ヴァントなどのブラームス全集で聴いておきたいものだ ……… チェリビダッケなどは、ブラームスこそ素晴らしいと思うのだけど、ブルックナーの方が評価されている。 うーん、交響曲2番、4番なんて、最高だと思うんだけどね。


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▼   あと、『クラシックの名盤』において、メンゲルベルク指揮『マタイ受難曲』アムステルダム・コンセルトヘボウ、1939年版を、評論家2名が名盤に挙げているが、これも「バッハではない」演奏だ。 拍節感皆無。 「こんなバッハは聴いたことがない」くらい、凄い演奏。 たしかに「ベートーヴェン第九」的なドラマ感溢れるマタイ受難曲。 オペラちっく、とも言えるかも知れない。 その合唱には圧倒されることは確かなんだけど、初心者は普通にカール・リヒターにしておくべきだろう。  峻厳なバッハが楽しめて良い。


▼   とりあえず、趣味のあう音楽評論家を見つけるまでが大変。 その大変さもまた、楽しみの一つと開き直るしかないだろう。



クラシックCDの名盤 (新書)

評価  ★★☆
価格: ¥ 924 (税込)  


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Last updated  Feb 23, 2007 07:13:10 PM
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