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書評日記  パペッティア通信

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Feb 27, 2007
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カテゴリ:スポーツ・ゲーム
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▼   25日の日曜日、NHK総合は、ラグビー日本選手権を放映していた。 ポテトチップスを食べながら、白熱したスポーツ中継を眺めるのは、わたしにとって至福のひとときである。 しかし、その日はちがった。 スポーツ紙・一般紙では、トヨタ・東芝両チームの監督が、この試合で退任することを伝えていた。 なによりも、トヨタの総監督、朽木英次の老けた顔に、時の流れの残酷さと、なんとも言えない感情がわきあがるのを感じた。 


▼   朽木英次の現役時代。 それはもう、日本ラグビー史に残る名選手でした。 歴代ベスト15を選ぶなら、かならずCTBで選出されるくらいの大選手ですよ。 


▼   ラグビーの様に、肉体の「素の力」のウェートが圧倒的な競技では、白人・黒人などには、勝てっこありません。 そんでも、戦術と技術でなんとかギャップを埋めて、欧米列強諸国と互角に戦う …… 細かいことは省くけど、早稲田出身の大西鐵之祐は、日本オリジナルのラグビーを創造した。 1968年、オールブラックス(ニュージーランド)Jrを屠り、1971年、イングランド相手に「3-6」まで追い詰める。 


▼   徹底したフィットネスで、集散の早さによるディフェンス。 消耗戦を回避するため密集から遠い所で勝負。 必殺のサインプレーで、トライをうばう。 そんな日本オリジナルの戦術を遂行する鍵は、バックス、とくにCTBのパス能力にあった。 現役時代、朽木英次は、ハードタックルによるディフェンスの素晴らしさだけでなく、芸術的なパスをとばす選手だった。 そんな日本オリジナルな戦略を遂行するキーマンだった。 1989年、日本が欧米列強に唯一勝ったスコットランド戦を始めとして、数々の栄光に彩られた選手だった。


▼   でも、僕にはもう、彼のプレーを思い出すことができない。 今も思い出せる朽木英次のプレーは、1996年1月、「トヨタ-三洋」の社会人選手権準決勝で、必殺のパスをとばそうとしたとき、トンガの怪物、セミイ・タウペアフェのタックルで吹っ飛ばされ、こぼれたボールを拾われて独走トライを奪われたシーンのみ。 よりによって、肉体的格差を埋めるため鍛錬を積み重ねた技術が、圧倒的な肉体を前にして、木っ端微塵に粉砕されたシーンしか覚えていないのだ。 


▼   そういえば、この頃までは、バブルがはじけても「残業が減って良かった」などの、のほほ~んとした空気が支配的だった。 グローバル・スタンダードにジャパン・オリジナルが木っ端微塵に粉砕された、あの1シーンは、前年(1995年)のラグビーW杯における「17-145」のカタストロフィ的大敗北もあいまって、「失われた10年」をビジュアル的に表現してくれていた。 ある幸福な時代の終焉を確かに告げていた。 だから、僕は忘れられなかったのだ。 以後、坂道を転がっていくかのような日本社会の荒廃と凋落ぶりは、あえて語る必要もあるまい。 私にとって、朽木英次の敗北と引退とは、日本がグローバルスタンダードの前に敗れ去ることと同義だったような気がする。 


▼   閑話休題。


▼   パスを出せるCTBは、朽木英次を最後にして、日本ラグビーから絶滅した。 あの難波英樹(相模台―帝京)がトヨタにくる! それを聞いたとき、朽木英次が手ほどきをして後継者になってくれれば、と心から期待した。 しかし、結局、芸術的なパスを出せるセンターにはなれなかった。 もはや、日本オリジナルなど、どうやっても遂行できやしない。  いつのまにか、私はラグビーを見るのをやめていた。 本当に久しぶりにみた、ラグビーの試合だった。 


▼   敵役、東芝の薫田真広監督もまた、日本ラグビー史に残る名フッカーだった。みなさん、本当にご苦労様でした。


▼   前ふりが長くて申し訳ない。 そんで本書。 もう15年近く、毎年1冊、日本ラグビー狂会(Japan Rugby Fool-boy Union)の名義で、日本ラグビーについての本が刊行され続けている。 たいへん、ありがたいことだ。 この本も、久しぶりに買ったが、あいかわらず、火をふくほど熱い、ジャーナリストの憂国というか、憂「ラグビー」の熱情が伝わってくる。


▼   あいもかわらず迷走する日本ラグビー界。 エリサルド日本代表監督は、フランス・クラブ・チームの監督を兼任するというなめた態度をとっているのに、何もできないラグビー協会。 希望の星だった宿沢広朗の死。 そこに世界的なラグビーの巨人、ジョン・カーワンが、日本代表監督を引き受けてくれたことで、やっとこさ、まともなラグビーになってきたようだ。


▼   中尾亘孝は、2015年W杯招致を唱え、梅本洋一は2007年ラグビーW杯のホスト国、フランスの現状を報告。 時見宗和は、早稲田黄金時代を築いた清宮監督の後釜、中竹監督が主将だったときのインタビューを掲載。 生島淳は、鹿島アントラーズの社長、大東和美にインタビュー。 わたしは、同姓同名の別人かと思ってた。 まさか70年、早稲田日本選手権優勝時の主将本人だったとわ ……。 「ラグビー畑でつかまえて」は、人気がないスポーツであるはずなのに、マスコミや政界などに強力なコネがあるため、やたら発言権があるラグビー界の人脈図として見れば、かなり面白い。 


▼   とはいえ、今年のW杯で2勝をあげるのは、いかにカーワン監督とはいえども、本当に難しい。 期待度は、マイナスからの出発。 ジーコ・サッカー代表監督とはちがい、監督としての実績はあるものの、なにぶん、選手に足りないものが多すぎる。 カーワンは、オシム代表監督のように、「日本代表を日本化する」ことを唱える。 しかし、朽木英次の後継者は、もはや地上にはいない。 走れてパワーがあるロックもいない。 ゲームをコントロールできて、ディフェンスができるスタンドオフもいない。 てか、キッカーは、だれよ。 FB有賀か?? 個人的には、日本代表のFBのディフェンスの弱さこそ、日本が勝てない原因の一つに思えます。 キックを蹴られるたびに、わたしゃ、恐怖なんですが … 戻りも遅いし、走れないし。 ましなFBはおらんのか。  


▼   そういえば、最近、中尾亘孝氏の本が4年近く出ていないけど、なぜだろう? やっぱり売れないんでしょうか。 かれの本は、毎年買っていたんだけどなー。 ブログがあるそうなので、いってみよ。


▼   また、ラグビーW杯の季節がやってくる。 さまざまな思いが去来する。 ラグビーはやる分にはともかく、見るには本当に面白いスポーツです。 一度、このような本をお取りになって、ラグビーの試合にテレビのチャンネルを回してみてはいかがでしょうか?


評価  ★★★☆
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Last updated  Apr 24, 2007 10:58:12 PM
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