今夜の仕事帰り、下の子から衝撃的なメールが届きました。
「さきにねるから、きおつけてかえってきてね。くるまにひかれたり、わるいひとにさされたりしないでね。」
クルマはともかく、通り魔に注意してねというメールは、初めて受け取りました。他人様から見れば笑える内容かもしれませんが、私は笑えなかったです。
それはともかく、今の福島県で「わるいひとにさされたりしないでね」と心配したくなるのが、福島県立医大の副学長(しかも常勤である!)への就任が内定した県放射線リスク管理アドバイザーの山下俊一氏。折しもアドバイザーの解任を求める「市民」の声が挙がっていただけに、この決定は福島県からの彼らへの回答を兼ねていると思います。感情的に暴走した「市民」が山下氏を襲撃する事態も、ある程度はあるのではないかと憂慮します。
意外に思われるかもしれませんが、山下氏をはじめ長崎大学のスタッフが福島県の医療界になした、あるいはなしている貢献は、かなり大きいものがあります。
こちらのサイトを見ると、「原発近傍の市町村はもちろん、現在でも退避圏外である福島市や隣接する郡山市でも医師が姿を消して、震災による被害は少ないにもかかわらず、診療ができなくなる医療機関が現れた。一部の全国的に著名な病院でも、看護師と技師しか残っていないという場面があったという。医師、看護師、薬剤師らの医療スタッフを一堂に集め、『辞めたいスタッフは辞めてもかまわない』と告げ、各人の意志を確認する医療機関さえあったといわれている。」という県内医療機関の混乱に際し、長崎大学のチームがいち早く福島入りし「現在の線量であれば、身体に影響はない」とアナウンスしたことが福島県立医大病院の安定した医療サービスの確保に繋がった旨が紹介されています。また
こちらのサイトを見ると、被曝者医療に際して福島県立医大が長崎大学の指導を仰いでいる様子が確認できます。
少なくとも福島県立医大病院には長崎大学に大きな「借り」があるし、県内の殆どの綜合病院、個人病院の勤務医が福島県立医大出身者で占められている福島県内の医療事情を考えると、福島県内の医療界、そしてこれらの機関を日々利用している福島県民は、「無用な避難」による生命へのリスクを回避したことに関しては、長崎大学や山下氏に感謝しなければならない部分が多々あるはず。その現実を無視し暴挙に走る「市民」がいるならば、断固阻止せねばならないと、私は思います。