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テーマ:たわごと(26609)
カテゴリ:マヌケな昔話
私の大学時代の話になるのですが、福島市内で開催された、あるシンポジウムを拝聴したことがありました。福島商工会議所の主催で、ドイツ人の学者を招いて福島市のまちづくりについて考えるという内容だったと記憶しています。
で、シンポジウムが始まったものの、話が異様にチグハグ。ドイツ人の学者は「新幹線の高架橋が景観を害しているから地下に潜らせることはできないか?」なんてことを言うし、それに対する商工会議所サイドの返答は「予算がない…」の一点張り。結局、ドイツ人の理想論と福島市の現実論が平行線。消化不良のままシンポジウムは閉幕となったのであります。 ギャラリーとしては失笑不可避だった訳ですが(こらこら)、よくよく考えてみると、話が全くかみ合わない両者の媒介役となった人物~実は当時の私のゼミの先生だったのですが~が、漁夫の利を得た格好になったかもしれません。「私は双方の気持ちが理解できるぞ」みたいなスタンスを醸し出していた感じがしたもので… 学者が理想を語るのはいいのですが、地元に住んでいる人間は切実な処方箋が欲しい訳で、ドイツ人だろうが日本人だろうが、学者と地元住民の認識の齟齬は起こるものですよね。だから、地元に住みつつもアカデミックな話題にきちんとついていけるような人材の重要性を感じます。「在野の知識人」とでも呼ぶべき存在でしょうか。 怪異を語る 伝承と創作のあいだで 成城学園創立100周年成城大学文芸学部創設60周年記念シンポジウム報告書/喜多崎親/京極夏彦/常光徹【合計3000円以上で送料無料】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.09.25 23:15:25
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