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むかしのこと

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2006.12.03
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もみの木

ISBN:4034451203 単行本 シグルン・セーボ カプスベルガー
木村由利子 やく
偕成社 1987/12 ¥735

自分でものを考えられない子どもだった。
考えているときもあったけれど、深く考えなかったところが多いと今になれば感じる。
それは深く考えないほうが楽だったことがあったことにもよるだろうし、
または幼い頃は愛を実感できていたからとも思われる。
私はあまり人を疑わなかった。それは(同上)
いつからかそれは人を疑うほど人がどうしようが興味がないという状態になってきていたように、今は感じる。

そしてそこからちょっと進んで、人がどうしようが好きな人は好きだし、いやな人はいやだし、
つまりとてもよい状態で人を信じたり拒絶したりできるようになってきたと感じる。
(血のつながりのない人限定)

私が性犯罪のことで絶望していると、ある男性教師が心配して、ある言葉をくれた。
その頃は「興味がない」ときだったので、この人も性犯罪の加害者かもしれないと思ったり、
女性を激励することによって性犯罪の責任を女性に押し付けようとしているなと感じたりした。

今はその人のことを好きでも嫌いでもないということから本音かも知れないし
当時考えたままかも知れないがそういう言葉に動かされる人もどこかにはいるかも知れないであろう、と思う。

あのとき先生がみにくいあひるのこは、あひるのことおもっていたらはくちょうやったからめでたし、いうのはおかしい、といったのが、わたしは忘れられない。いじめたあひるはあひるだろうがはくちょうだろうが悪い。みにくいからっていじめてたらみじめなおもいをすることもありますよ、という話と思っていたが、みそっかす扱いだった自分からすれば、あひるのことか突然金持ちの親戚があらわれてきらびやかになる子どもの話とかは爽快やったなぁ。
真意は人とおりでしょうが、先生がいってたこともなんかわかる。

小さい頃この『もみの木』を読んでいたら自分はどんな感想をもっただろう。想像もできない。

読むのは初めてだったけれど、ずっと辛い。
もみの木が今の立場ではない何かを求めていたらおせっかい太陽や空気が
「わたしたちがいるのをよろこばなくちゃいけないよ・・・」とさとす。
クリスマスの過ぎた夜、ねずみに昔の話を喜ばれ昔をいつくしみだすもみの木・・・
自分の一世一代の晴れ舞台をけなされずーんと落ち込む、もみの木・・・
もっと楽しいことがあるんだ、と待っていたら醜く朽ちて、きりきざまれ、炎と消え・・・
なんて悲しい話なのか・・・

人からうらやましがられることで、めぐまれたと思う・・・
人からけなされたことで、くだらないと思う・・・
どんな親から育てられたわけでもないもみの木の過酷な試練・・・
そして・・・
木が切られるときのいたそうなこと。
かと思えば「私たちをよろこべ」と恩着せがましい大自然・・・

今の自分にはこういうことは起こらないとわかる。
いきていけるくらいの星のあつさとかくうきのなりたちとか
さむいひのあつい日本酒とか
まえすんでたところではみえなかったせいざとか、
ありがたいな、かくべつおいしいな、きれいだな、と思うけど、
ほんとはありがたくもかくべつおいしくもきれいでもないこと。
なんでもないこと。
いたくないくらしがありがたいとおもうこと。でもほんとはそういうことではないこと。

いたくないくらしでなければわからなかったこと。いたいくらしでもわかること。
わかることなんかなにもないこと。

けど、そうひょうげんしないほうがいいこと。

わかっててもできないこと。あいしてしまうこと。にくんでしまうこと。
せいこういきょうようをこばまないこと。せいこういきょうようをしないこと。
うんでしまうこと。

わかっててもやめられなかったのだ。きっと、いつかおわるから・・・

こんななんでもないことのために、たいくつ、あこがれ、あせり、さとし、いたみ、たびだち、かがやき、こどく、おいて、死
これをどうこころえるのか。
と、でこぶつけられて詰問されているような気持ちになった。

クリスマスだしね!と思ってると
気持ちと話の差が激しすぎるナ・・・

(2004年12月13日)

ちびこにはまだ読んでいませんが、最近は『ポケットの中の赤ちゃん』くらいの話なら何回かにわけて楽しんで聞くようになっているので、今年は読んでみようかな。
こういう突き放した感じの話もたまにはいいかも・・・







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最終更新日  2006.12.05 12:43:23
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