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カテゴリ:読んだ本の感想など
ISBN:4784501010 大型本 社会評論社 1982/08 ¥1,260
ウッラ・アンデション ビルギッタ・エークルンド 著 直井 京子 やく 大井清吉 監修 表紙には「ちえおくれの人たちのために」とタイトルの上についています。 原題を直訳すると、「私たちのあいだ」だそうです。 柴田 洋弥氏(2005年3月の時点で日本知的障害者福祉協会政策委員長だそうです)の文で、わかりやすく、知的障害者の方の暮らしと性、自己理解と自己決定について書かれています。知的障害者のみならず、自分が大切ということがわからない子どもや大人にも読んで欲しいような本です。どのような人にとっても大切なことが書かれてると思います。 目次(抜粋) グループワークでの使用を目的としているらしいですが、人前で性について話すのが苦手だったり、相談できる人がいない人は、とても易しくかかれているので、自分の気持ちを整理するのにも役立ちそうです。 1.わたしたちみんなちがいます でも同じなんです 人と自分が同じところ、違うところはどこか?を考える。これが、 2.自分のことは自分できめるけんりにつながっていきます。 親や先生はあなたができるとわかっていることはやらせてくれますが、彼らはあなたができるのかわからないことがあり、ときどき彼らがあなたのをことを決めてしまうことがある、だから自分のことを理解して、何ができるかどうしたいかを伝えられるようになる必要がある。 本当に、子どもの力を周りの人が決め付けて先に決定したり評価を口にしてのびのびできなくしたりすることがあると思うので、こういうことこそ子どもに教えていきたいし、子どもがこういうことに対して先に知っていると、私が間違って決めそうになったり、勝手な限界を設けそうになったら、子どもからも「おかあさん、ちょっと待って」と言えるようになるのではないかと思います。 また、特にどんな人か関係なく大切だなと思えることは、 人に好かれるためにむりをして 自分をかえることはありません。 ふつうのだいじなきまり 1.人がしたくないことをむりにしていはいけません 2.自分がすきでないことをするひつようはありません という点。 これは、異性からどう見られたいかとか、セックスについてのこととして書かれているけど、どんなことにも言えるということを、私はあんまり実感していませんでした。したくないことむりにさせられてたし、それが愛情とひきかえのようなところがあったので。 たとえば「セックスさせなきゃ別れるぞ」という人はちょっと疑ってみたほうがいいとか、 友だちでも「仲間に入りたかったらあれをぬすんでこい」とか、成果としてでなく何かを引き換えにするのはおかしい。 おかしいと感じてても、別れたくないとか仲間に入りたいとかでしてしまうこともある。 それは孤独感恐怖からきてると思うけど、実際怖がることはなくて、ことわる自分は誇れるし そんなこと言う人につきあってたら自分も下がる。 そういうとき毅然として自分ののりにしたがっていれば、のりが合う人がきたときお互いわかる。(もちろん、のり(法)の合う人はそうそういるわけじゃないから新しい人と出会い続ける努力はしなくちゃいけないけど) そのほかにも、小さい頃に知っておいて欲しいことがのっています。 本の内容とは直接関係ないのですが、翻訳者が原文と日本の状況が合わないところだけ内容を変えたというところで、 (男女の性器の)イラストは、原本では写真なのですが、イラストにかえました。/スウェーデンでは、このような表現には、いっさい規制がありません。そのかわり暴力(強 姦)シーンは映画でも禁じられています。しかし、日本の成人映画館の表看板には、必ずといっていいほど、暴行シーンがえがかれています。これは逆ではないでしょうか? うーんとうなりました。 暴力が隠されたために味わった孤独や自己評価低さと、確かにおっしゃるとおりです、という気持ちと、自分にも回復の一つとして逸脱行為があったから、禁じられても・・・という感じも。でも、理想も大切よね。 こういう教育の方がしっかりしていれば、誰かを傷つける娯楽がなくても孤独を感じることはなく、そっちの方が確かによさそうというのはわかる・・こんがらがる。暴力はなくならない、というのが自分の中の前提としてある。あるないがなくなるのが法※といわれても、やっぱりある。 ※ここでいう「法」とは般若のことです 子どもに伝えたいこと、自分で見直したいことが、本当に読みやすく書かれている本。傷ついてるときなどは、易しい本ほどいいと私は思っているので、この本はとてもいいと思いました。 ☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.03.20 02:00:45
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