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カテゴリ:豊田行二
「華麗なる野望 豊田行二」のGoogle検索
*** 「華麗なる野望」の楽天内検索 *** ![]() 著者:豊田行二 出版社など:青樹社文庫 発行年月:1994年7月10日 本体:612円 カバー:村山潤一(Google検索) *** 光文社から94年9月に文庫書き下ろしで出された『人妻診断』の巻末にある著作リストでは、青樹社B6版が 26番目、 青樹社新書版が 91番目、 私が読んだ青樹社文庫版が 339番目になっています。 私の作ったリストで、 徳間文庫版が 458番になっています。 青樹社の新書は、80年のB6版の新書化 で、 青樹社の文庫は、85年の新書版の文庫化、となっています。 徳間文庫版は未見。 *** 目次 白い肌/作戦/ダーティ・ハンター/巨大な牙城/間者/匂う柔肌 生贄/妨害/対決/切り札/大いなる前進/夜明け ***ネタバレです*** ***ご注意ください*** 主人公はデザイナー・矢吹猛。 日本の代表的な服地メーカー、世界レーヨンに勤めていたが、 専属デザイナーのピエール・落合と衝突して辞職。 同社の本間裕美の援助で海外修行し戻ってきた。 世界一のデザイナーになって世界レーヨンを見返し、世界中の女を跪かせるのが 彼の野望。 世界レーヨンと落合の妨害を、女を虜にすることや 秘密を握って脅迫すること などで切り抜ける。 ![]() *** 爽快!痛快! 下品な写真を撮って脅すところは爽やかじゃないが、 相手はそれを上回るダーティさ。 矢吹はいつも諦めない。いつも負けてたまるか、と不屈の闘志を 持っているけど、ぎらぎらしっぱなしじゃない。 わがまま女優に一方的なセックスをされた上、矢吹がレイプしたように 言われたときでさえ、相手にエールを送る。 そういうことが何度かあって、最後には世界レーヨンに憎むべき落合を大事にしろ、という。 わがまま女優との行為と対照的だったのが、大物政治家の娘・加賀沢紀子との行為。 久し振りに味わう男の独善的な快楽の醍醐味でもあった。 めったに勝手にお先に失礼しないからこそのこの地の文。 このときばかりは、女の尻も「臀部」表現に。(普段は「ヒップ」) 乱暴な行為のときに、普段の優しさが際立ってしまうというのが矢吹の魅力なのです。 相手がどんな大物政治家であろうと、尻尾を振って面識を得ようという気は毛頭ない。 かつて、デザイナーが王侯貴族の寵を得て羽振りをきかせた時代もあるが、今は権力者と服飾界は無関係である。 紀子関係ではここもいい。 *** 女芯の中で三、四十分動き続けることは、矢吹にとって鼻唄を歌うよりもたやすいことだった。 女を裸にすることは、ジャガイモの皮をむくよりも簡単なことだった。 フォーブル・サントノレに店を二、三軒出すのは、彼にとってはパンにバターを塗るよりも簡単なことです。 結構、不器用な人たちなのじゃないか…? 鼻唄って数秒で済むでしょ!先生!! *** 大将(永田守弘のことを勝手にこう呼んでいます)の言う通り、 この頃は「欲棒」という表現はなく、「ジュニア」という表現になっています。 「ヴィーナスの丘」もこの頃っぽい。 タイトルは最後の章の裕美の言葉から。だから改題作がないのかな? 『青い太陽』や『羊の野望』など、ちゃんと根拠のあるタイトルは 改題しないで欲しいなあ…ややこしいよ。 『羊の野望』は、ちょっとニヒルな表現に、 編集部が改題を頼んだとあったけど…そこがいいんじゃないですか~ 矢吹は、裕美が出資者のユダヤ人に体を求められたとき 彼女を渡したくないと思うが、彼女は私にこだわらず世界へ出て行けという。 私はこういう展開好きです。 一人の女性への執着を示す数少ない作品のなかのひとつ。 数少ないといえば、中国人の女性が出てきた。私にはこの作品が初めてです。 セックスの途中で猫を呼ぶような音を鳴らす。 韓国ドラマでも、性的なシーンじゃなくて、姑が嫌味言うときとかに 舌を鳴らすことがある。本当に国によって表現が違うのだな。おもしろい。 敵対してた男が味方になっちゃうのもいいですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.02.03 16:35:08
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