1242666 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

むかしのこと

むかしのこと

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2011.01.09
XML
カテゴリ:豊田行二
「華麗なる野望 豊田行二」のGoogle検索

***

「華麗なる野望」の楽天内検索

***

華麗なる野望
著者:豊田行二
出版社など:青樹社文庫
発行年月:1994年7月10日
本体:612円
カバー:村山潤一(Google検索

***

光文社から94年9月に文庫書き下ろしで出された『人妻診断』の巻末にある著作リストでは、青樹社B6版が 26番目、
青樹社新書版が 91番目、
私が読んだ青樹社文庫版が 339番目になっています。

私の作ったリストで、
徳間文庫版が 458番になっています。

青樹社の新書は、80年のB6版の新書化 で、
青樹社の文庫は、85年の新書版の文庫化、となっています。
徳間文庫版は未見。

***

目次

白い肌/作戦/ダーティ・ハンター/巨大な牙城/間者/匂う柔肌
生贄/妨害/対決/切り札/大いなる前進/夜明け

***ネタバレです***

***ご注意ください***


主人公はデザイナー・矢吹猛。
日本の代表的な服地メーカー、世界レーヨンに勤めていたが、
専属デザイナーのピエール・落合と衝突して辞職。
同社の本間裕美の援助で海外修行し戻ってきた。

世界一のデザイナーになって世界レーヨンを見返し、世界中の女を跪かせるのが
彼の野望。
世界レーヨンと落合の妨害を、女を虜にすることや
秘密を握って脅迫すること などで切り抜ける。

!ついには世界レーヨンに契約を持ちかけられるが、散々頼ってきた落合を簡単に放り出すような企業には行けないとつっぱね、その態度に落合は負けを認める。

***

爽快!痛快!
下品な写真を撮って脅すところは爽やかじゃないが、
相手はそれを上回るダーティさ。

矢吹はいつも諦めない。いつも負けてたまるか、と不屈の闘志を
持っているけど、ぎらぎらしっぱなしじゃない。
わがまま女優に一方的なセックスをされた上、矢吹がレイプしたように
言われたときでさえ、相手にエールを送る。
そういうことが何度かあって、最後には世界レーヨンに憎むべき落合を大事にしろ、という。

わがまま女優との行為と対照的だったのが、大物政治家の娘・加賀沢紀子との行為。
久し振りに味わう男の独善的な快楽の醍醐味でもあった。
めったに勝手にお先に失礼しないからこそのこの地の文。
このときばかりは、女の尻も「臀部」表現に。(普段は「ヒップ」)
乱暴な行為のときに、普段の優しさが際立ってしまうというのが矢吹の魅力なのです。
相手がどんな大物政治家であろうと、尻尾を振って面識を得ようという気は毛頭ない。
かつて、デザイナーが王侯貴族の寵を得て羽振りをきかせた時代もあるが、今は権力者と服飾界は無関係である。

紀子関係ではここもいい。

***

女芯の中で三、四十分動き続けることは、矢吹にとって鼻唄を歌うよりもたやすいことだった。

女を裸にすることは、ジャガイモの皮をむくよりも簡単なことだった。

フォーブル・サントノレに店を二、三軒出すのは、彼にとってはパンにバターを塗るよりも簡単なことです。

結構、不器用な人たちなのじゃないか…?
鼻唄って数秒で済むでしょ!先生!!

***

大将(永田守弘のことを勝手にこう呼んでいます)の言う通り、
この頃は「欲棒」という表現はなく、「ジュニア」という表現になっています。
「ヴィーナスの丘」もこの頃っぽい。

タイトルは最後の章の裕美の言葉から。だから改題作がないのかな?
『青い太陽』や『羊の野望』など、ちゃんと根拠のあるタイトルは
改題しないで欲しいなあ…ややこしいよ。
『羊の野望』は、ちょっとニヒルな表現に、
編集部が改題を頼んだとあったけど…そこがいいんじゃないですか~

矢吹は、裕美が出資者のユダヤ人に体を求められたとき
彼女を渡したくないと思うが、彼女は私にこだわらず世界へ出て行けという。
私はこういう展開好きです。
一人の女性への執着を示す数少ない作品のなかのひとつ。
数少ないといえば、中国人の女性が出てきた。私にはこの作品が初めてです。
セックスの途中で猫を呼ぶような音を鳴らす。
韓国ドラマでも、性的なシーンじゃなくて、姑が嫌味言うときとかに
舌を鳴らすことがある。本当に国によって表現が違うのだな。おもしろい。
敵対してた男が味方になっちゃうのもいいですね。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.02.03 16:35:08



© Rakuten Group, Inc.