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著者：豊田行二
出版社など：祥伝社　ノン・ポシェット
発行年月：平成３年７月２０日　第一刷発行
本体：５４０円
カバーデザイン：中原達治

とにかく、野望街道といえば足！

目次

芸者のヒント
ヤクザの女
政治家の罠
シャワールーム
ベッドルーム
新卒女子社員
北新地ホステス
郷里の娘たち
北国の女
海と女
大いなる狂気
新しい巣
夢を追う
ヤングウイドウ
牝馬と女

『大いなる野望』改題とあります。
『大いなる野望』青樹社新書は１９８８年４月３０日刊。
名古屋タイムスで連載されていたようです（光文社『人妻診断』より）

Wikipediaには、竹園正繼 の半生がモデルである…と書かれている。
経歴を見てみると確かにその通りなのだけど
主人公はいつもの痛快出世ものの主人公と似た感じ。
ちょっと強引なのにびっくりしたので、これモデルといってしまっていいのか。
取材はしておられるとは思うのですが。

あらすじ＊＊＊ネタバレです＊＊＊

＊＊＊ご注意ください＊＊＊

大竹正雄は大竹建設社長。
芸者と遊んで新しいアイデアを得る。
お手伝いの女に手をつけたら下請け会社のヤクザの女でもめる。
保険の勧誘員に紹介してもらった紗絵子にほれこみ、断られてもプロポーズを続け結婚。
しかし会社は手抜き工事で訴えられ、同時期に五千万円の不渡手形をつかまされ
勝手に階段から転げ落ちた芸者に暴行罪で訴えられてしまう。
暴行罪は、政治家主原が東北新幹線のルート上の土地を買っておけと言われて
買った大竹の土地を奪うために仕組んだことだったのだ。
大竹は土地を諦め、会社も倒産するにまかせていた。
元社員は大竹のアイデアを利用して商売を続けている。

大竹は新会社オーエム技研を登録する。
様々な裏切りを受けたため妻と二人で始め、妻の友人美雪と学生アルバイトを一人
パンフレット製作のために雇う。美雪と不倫する。事務所にシャワールームが欲しいなと思う。

紗絵子は妊娠しない。医者は夫が原因ではないかと言ったという。
が、大竹は独身時代女を妊娠させたことがあり養育費を毎月支払っている状態である。
しかも美雪が妊娠する。大竹は中絶させる。
ヨットに興味を持ち始め、神戸で開かれる展覧会に美雪を誘う。
現地で合流する予定だった紗絵子が早めに到着し美雪とは別れる。

事業は順調に拡大し、工場を建てることになる。
大阪に建てる予定だったが、故郷鹿児島に帰ったとき、
友人に、それなら地元に建てろと言われ、その気になる。

地元にいることが多くなった大竹に、紗絵子はついてこない。
子供もできない。大竹は財産を継ぐ者として、養育費を送っている娘・峰子に会いに行く。
しかし、峰子は過分な財産はいらぬという。

鹿児島に戻り、海で遊ぶ女の子たちと話すうち、水陸両用車の開発を思いつく。
その中の一人ミドリは、そんな車を本当に作って乗せてくれたらあなたに抱かれるという。
果たしてそうなる。大竹の夢を理解し、ともに喜ぶミドりに自分の子どもを生んでほしいと
思い、プロポーズしようとするが、ミドリは別の男と結婚する。

ミス仮屋に選ばれたことのある由美子をみそめ、騙して強　姦し妊娠させる。
紗絵子は大竹の変化に気づき問い詰め、大竹は本当のことを話す。
由美子の両親は、娘を二号にしようとする大竹とは会わせないと遠ざけるが
由美子は家を出、大竹と住む。
大竹は子供のことを考えると、由美子と籍を入れるべきだと離婚を決意する。

このような調子で、ご当地麺やみそ汁などを開発し、
馬主になり…

＊＊＊

解説などはなし。
祥伝社文庫の『野望街道』は今まで二冊が新装版で発売されているけど
元のままで、解説などはないのが残念。
次はこの「挑戦編」の番だけど、モデルがある話なら
新装版は難しいのかな。モデルがあるとは言ってもとてもファンタジックなのですが…