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むかしのこと

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2012.06.06
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カテゴリ:富島健夫


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著者:富島健夫
出版社など:集英社文庫
初版:昭和61年1月25日第1刷
本体価格 400円
カバー絵:文月信

昭和40年に発表された作品です。
テレビドラマにもなっていますので、当時の反響がうかがえますでしょう…か?
詳しくは、荒川佳洋編著『富島健夫書誌』を参照のこと。
編著者荒川佳洋さんのブログはこちらです。
年譜や評伝など富島健夫がいっぱいです。

目次
序章/青年と女/前兆と誘惑/秘密/運命の展開/相似の花/憂愁の日日/血は呼びあって/風にゆらぐ灯/愛・憎しみ・誘い/光と影と/母ふたり/虹の約束/見えない敵/告白の前夜/姉妹四人

解説―青春を生き続ける作家 中村八朗


あらすじ***ネタバレです***

***ご注意ください***


目の見えない母、素直な妹とこすい弟、いろいろ汚い義父。三保子は昼はスーパー、夜は女の給仕で酒を飲ませる店のレジで働き、家族を支えていた。
ある日、客の青年に、自分の生徒に似ている、と言われる。
ぎんという老婆から、重大な話があると言われる。

ぎんは若いころ病院で働いており、ある青年と恋におちた。一度は妊娠堕胎までしたが結婚できると信じて待っていた。が、青年は別の女と結婚した。
偶然、ぎんの働く病院でその女が出産することになり、復讐に狂ったぎんは、同じ日に生まれた乳児をとりかえた。
それが、新興財閥森谷の長女と、三保子だという。

金でぎんを追い払った森谷だが、
森谷の次女、菊子は(青年の生徒)すっかり三保子を気に入ってしまう。

三保子は行儀見習いという形で森谷家に入ることになる。

長女のとりまきが追い出そうとするが、長女はそれを聞いてやめさせる。

また、長女は三保子の育ちの妹、実の妹頼子にもある種の懐かしさを感じているようで
四人姉妹の再出発…

以下雑談・ネタバレご注意・太字引用


三保子は、住んでいる場所を恥じているのだ。貧しさは、恥じることではない。そう学んで、三保子は育った。恥じるべきは、努力しても貧しさからぬけだせない人と、遊んでいてもますます富む人たちがいる社会の仕組みそのものだと、若い教師が熱意をこめて語ることばを、高校生であった三保子は感動とともに聞いたものである。/けれどもあたまではそうわりきっても、若い胸は鉄でできているのではない。~

そんないじらしい三保子は、二十歳。

彼女とセックスしようと男が寄ってきて何とかしなくちゃいけない
いつもの教訓と
夜の仕事を隠していたことを知って、彼女の状況を思いやる余裕もなくむっとした
態度を隠さない若々しい男(自制心)との恋愛もあり。


解説の中村八朗は、丹羽文雄が「面倒をみてもらうといい」と言い、
富島健夫がその家へ原稿を持って訪ねるようになった、というおなじみのエピソードと
富島健夫が、石坂洋次郎の作品は、父親の立場から、若者が理想的にかかれているが
自分は若い者の立場から若者をかき、おとなの嘘にぶつける、という意味のことを言ったと
書いている。





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最終更新日  2016.06.21 11:47:04



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