【プレイ日記】アフター・ザ・フラッド会&ビッグバントーナメント第五十四夜
キックスターターでまとめ買いしてもらってた「Goblins Drool, Fairies Rule!」が届いたとのことだったので、受け取りついでに前回お流れになった「アフター・ザ・フラッド」をやることに。 この日の詳しい様子はこちら↓海長とオビ湾のカジノロワイヤル:ビッグバントーナメント第五十四夜~スターウォーズLCG~キル領主~キル赤ずきん●アフター・ザ・フラッド 詳しくはこちら↓ふうかのボードゲーム日記:アフター・ザ・フラッド(洪水の後で) なんと☆5つ! 和訳ルールはこちら。 半休取ってきたオビ湾さんが隣で黙々と和訳シール貼りを進める中、いたるさん、タムラさん、私の3人でこれ。 テーマは文明の曙の時代で、舞台はシュメール。プレイヤーの立ち位置がよく分からないのは、少し前のワレスゲーのいくつかに見られる特徴。シュメール内部のいくつかの都市国家と、シュメール外部の帝国を同時に担当する。神様……は別にいるので、それに近い立場で文明全体を俯瞰してる感じかな。 ゲーム中の得点手段は「シュメールの都市を大きくする」と「シュメール外部の帝国を拡大する」の2つ。何をするにも資源が必要なので、ラウンド開始時にどれだけ多くの資源を得られるようにするかと、ラウンド中にどれだけうまく交易して資源の価値を高めるかが肝要。マップはかなり狭く、ラウンドごとにさまざまな帝国を発生させることができるので、基本的に殴り合いになる。他プレイヤーの都市を破壊して拡大の機会を奪い、他プレイヤーの労働者がいるところに軍隊を派遣して交易を阻止したりと、非常に殺伐としてるw この「戦闘するのが大前提」のシステムと「3人専用」というのが素晴らしくマッチしてる。3人ゲーで2人が殴り合いしてるともう1人が有利になるので、普通はできるだけ殴り合いたくない。でも殴り合う以外ほとんどすることがない。となったら、殴られたとき(そして殴ったとき)の損害をいかに減らすか、そしてどうやってうまいこと第三者となるかに終始頭を使わなきゃならない。この日は実プレイ4時間くらいの熱戦となったが、途中でだれるようなことはまったくなかった。3人専用では確かにプレイ機会は限られるだろうが、今流通させても全然問題ない出来だと思うなあ。日本語版とか出したらいいんじゃないかなあ(チラッ 1ラウンド目終了時。いたるさんが紫、タムラさんが緑、私が赤。特殊能力が強いバビロン、シッパル、シュルッパクを押さえ、アッカド帝国を沸かせて守りを固めて盤石。いたるさんがやや出遅れてるようにも見えるが、得点の大半は都市の拡大から入り、全員が20点ずつ得たので大差はついていない。 2ラウンド目終了時(軍隊駒取り除き済み)。まあ都市の配置から始めなきゃならず、初期資源を持ってる1ラウンド目は準備ラウンドみたいなもんで、ここからが本番。1ラウンド目でちょっぴり目立った私はフルボッコw 狙ってたアムル帝国は手番順が先だったいたるさんに取られたので、確かイシン帝国を興してニップルを落とし、軍隊駒をシュメール内にばらまいて(2体だけだけど)得点を稼いだ気がする。 3ラウンド目終了時。前ラウンドでの下準備と手番順超重要。またもいたるさんに最大のミッタニ帝国を取られ、北部を完全に支配されてラピスラズリが手に入らない状態に。仕方なくエジプト帝国を興したが、軍隊を増やす余裕はまるでなく、ユニット5体じゃシュメール内部に入るのが精一杯w ここで都市を拡大できなかったため、2人に大きく点差をつけられた。 4ラウンド目終了時。ウルをずっと押さえてるため、毎ラウンド織物駒を1個余分に入手するタムラさんが着々と力を蓄え、最終ラウンドに備える。このラウンドもエジプト帝国になってしまい、シュメールで都市を破壊するのは難しかったため、少しでも得点を減らすためにいたるさんの軍隊と全面衝突。ゲーム後半に南部の都市を破壊するのは難しいと分かったので、たまたま空いてたラガシュに都市を置いてみたが、これが必要だったかどうかは疑問。これ以上点差が開くとどうしようもないため、やむなく資源3個で効率悪く都市を拡大。この時点でいたるさんとは20点差以上あり、タムラさんとは1点差の3位だったが、タムラさんと私では資源数に差がありすぎた。 ゲーム終了時。まあね、4ラウンド目に3位になったのは狙ってのことですから!(ドヤァ 4ラウンド終了時に無理して資源を支払って1番手となり、アッシリア帝国を興してラピスラズリ地域を封鎖。タムラさんが他の2帝国の発生地域を押さえ、いたるさんに無駄な資源の支払いを強要。完全情報公開なのに細かい得点の目算をしない紳士プレイ、ニップルの都市を破壊しないというお目こぼし、そして灌漑ボックスと製織ボックスの得点を全員が忘れる(結局どちらも全員駒数同じで得点にならなかったが)といういくつもの要素が重なり、最終的にいたるさんをかわして勝利。やはりラウンド制ゲームは終了1つ前のラウンドでしゃがむに限るな! 計算通りだな!(再びドヤ顔)。●ワールド・チャンピオンシップ・ドッジボール お隣でhiroceanさんとオビ湾さんが、シール貼り終わった「スターウォーズLCG」をやってたので、3人でいたるさん持ち込みのこれ。 ドッジボールがテーマ。他プレイヤーの手元にあるキャラクターカード(いろいろ特殊能力持ってる)を指定して、投げ方カードと共にボールカードを置く。投げ方カードには「カンフー・フォース・アタック・スロー」とか、まあいろいろあって、「○○という回避カードを使った場合のみ回避可」と指定されてる。相手はそのカードがあったらそれを使って回避できる。回避できなかったらアウトw これを繰り返して最後までキャラが残ってたプレイヤーの勝ち。 なんとこれ、リアルタイムゲーだ。ボールを投げては手札を補充するのだが、自分のキャラにボールが投げられたら、回避するまで手札補充できなくなる。それを狙ってばんばん投げ合うという……まあそういうゲームw しかもプレイ人数分ボールカードを使うので、3人プレイだと3つのボールが飛び交うのだw リアルタイムゲーはそれだけである程度面白いけどさあ……2005年に出て、BGGレーティング4.42ですよ。あとは推して知るべしw こんなゲームを見つけるのもすごいし、買うのはもっとすごい。さすがいたるさんだよw●キル・ジ・オーバーロード 隣の2人と合流して、5人でこれ。格ゲーものの傑作「バトルコン」や、ドゥームでは評判のいい「ピクセル・タクティクス」のデザイナー、D. Brad Talton, Jr.が他社から出した唯一(今のところ)のゲーム。 オーバーロードとなったプレイヤーが、他プレイヤー全員の処刑を目指していくゲーム。処刑の対象となったプレイヤーは、手札を使って処刑の矛先を他プレイヤー(オーバーロードも可)に向けたり、一発逆転のカードを使ったり、どうしようもなければ誰かを道連れにするカードを使ったりする。オーバーロードが勝たなかったら、ルールに従って各プレイヤーの役職を変更する(革命によって、生き残ったキャラのプレイヤーは成り上がり、死んだキャラのプレイヤーは没落するのだ)。ラウンド開始時にオーバーロードの所持金が30金以上でもオーバーロードが勝利する。勝利条件は2通りだが、とにかくオーバーロードにならないことには絶対に勝てない。 1ゲーム目、右も左も分からないのでみんな適当に処刑カードを回してたら、いきなりオーバーロード以外が全員死亡してhiroceanさんの勝利w さすがにこれじゃあまりにしょうもないのでもう1ゲーム。今度は序盤から積極的にオーバーロードを殺しに行く。勝つ可能性があるのはオーバーロードだけだから、まあ間違ってはなかったが、感想戦では「こればかりが正着ではない」との結論になった。結構もつれた展開になったが、最後に私が使った「ゲーム中に役職をシャッフルして割り当て直す」というトンデモカードによりえらいことにw あまりにえらいことになったので誰が勝ったかは忘れたw オーバーロードだけが死んだ場合、他のプレイヤーは1段階ずつ役職ランクを上げることになる。つまり役職が下位のプレイヤーはあまり勝利に近づけない。上位の役職ほど収入が増え、「オーバーロードになったときに30金所持」の勝利条件を満たしやすくなるので、下位プレイヤーはある程度上位プレイヤーに死んでもらう必要があるのだ。だからといってオーバーロード狙いをおろそかにしすぎると、1ゲーム目のようなサドンデスもあり得る。ここの判断がゲームの肝なんだろう。 アイディアは決して悪くはない。が、いかんせん「30金」という目標が遠すぎ、中盤にややだれる。「オーバーロードだけが生き残るのは論外だが、次ラウンドにあいつがオーバーロードになるのも困る」という悩ましさが終盤にならないと発生しないのだ。また、ある程度プレイすると、プレイ人数によるセオリーみたいなものができそうなのも残念なところ。もう少し煮詰めて、短時間ですぱっと終わるゲームに仕上がっていればいいゲームになっただろうに……惜しい。●赤ずきんは眠らない 短時間でプレイできるとのことで、最後にこれ。 うーん。まあある程度ゲームをプレイしてる人向けではない。狼が誰を狙うかの判断材料が(一見あるように見えるが)まったくないからね。狼は「誰かが勝利する(または勝利に大きく近づく)ことのないようにカードを配る」だけだし、他プレイヤーの選択は2択だが、実のところ、狼が自分のところに来るかどうかはまったく分からない。「高得点を取りに行く」「裏をかいて低得点を取りに行く」の2択って、ランダムで決めるのとほぼ一緒だからね。 イラストは大変可愛らしいので、アナログゲームのプレイ経験がない人の導入としてはいいかもね。作り手も、たぶんそういう層を想定して作ってるだろう。