ワンツーワークス「忖度裁判」
ワンツーワークス 忖度裁判 作・演出:古城十忍 美術:礒田ヒロシ 照明:磯野眞也 音響:黒澤靖博 衣裳:友好まり子 舞台監督:尾崎 裕 ドラマトゥルク:富貴純子 シアターχ カイ 開演14:00★ワンツーワークス公式「忖度裁判」公演ページ http://www.onetwo-works.jp/works/sontaku-saiban/ <キャスト> 裁判長「荒切」……………武田竹美 右陪審「樋渡」……………長田典之 左陪審「長内」……………武本海渡 裁判員「1番」……………中嶋尊望 裁判員「2番」……………上村正子 裁判員「3番」……………藤 敏也 裁判員「4番」……………浦野真介 裁判員「5番」……………関谷美香子 裁判員「6番」……………奥村洋治 補充裁判員「7番」………川人早貴 補充裁判員「8番」………金原直史 補充裁判員「9番」………小林桃子 事務官「免取」……………増田 和 事務官「坊平」……………小山広寿 6番の娘「きらり」………上脇結友 6番の妻「なるみ」………堀 りん 9月末に観た「十二人の怒れる男」の記憶も薄れぬうちにまたも法廷モノを観ることに。 「十二人の〜」で描かれた陪審員制度は陪審員のみで最終的に判決を下すが、日本の裁判員制度は裁判官とともに審議し有罪か無罪か、そして有罪の場合は刑を決める。なるほど。アフタートークでの裁判員を経験した人物の経験談と併せ、裁判員裁判の実態や舞台裏を知ることができた。 ストーリーは、預かったママ友の娘を車の後部座席に放置して死なせてしまった被告について、12人(裁判官3、裁判員6、予備裁判員3)が審議。時折個々人のエピソードを折り込み、葛藤の末に評決にたどり着くまでを描く。「12人の〜」同様、被告は登場せず裁判の風景も一切無く、審問室内と周辺でのやり取りだけで進行する。 タイトルの「忖度」裁判から連想したのは、発言力の高い裁判員の誰かへの「忖度」かと思ったが、全く違った。普通に考えたらこの場で最も発言力というか権力があるのは裁判長で、本来の「忖度」の意味そのままの展開に「あぁ…司法の世界までもが『忖度』に冒されているのか」と、現実を見せられたような気分になった。裁判長が検察に「忖度」をし、出世のために裁判官が裁判長に「忖度」する。「12人〜」の8番のように被告の無罪を主張した5番の逆転勝利を期待したが結果は残念な方向に。でもこれがいわゆる日本的な「丸く収まった」というヤツなんでしょうねにほんブログ村