近代能楽集より「葵上・卒塔婆小町」
近代能楽集より 「葵上・卒塔婆小町」 作:三島由紀夫 演出・美術・主演:美輪明宏 新国立劇場 中劇場 開演14:30 <出演> 美輪明宏 木村彰吾 江上真悟 大野俊亮 小林永幸 真京孝行 大曽根徹 金井修 高田賢一 城月美穂 高森由里子 小林佳織 迫水由季 越田樹麗 安達星来 ほか <あらすじ> 『葵上』(あおいのうえ)ー恋する女の魂の悲しく恐ろしい物語ー 『葵上』は、1955年初演。能の「葵上」では、六条の生霊と横川の子聖との戦いであるが、 この作品においては源氏物語の光源氏と葵上、六条御息所の物語のように、小聖の代わりに 六条の過去の恋人 光(源氏)を登場させてスリリングな仕上げになっている。 光の妻、葵の病床に毎夜通う、生霊 六条康子、嫉妬心に駆られた女の生霊。病室から湖上の ヨットへと場面を変え・・・。生霊と現身の声との交錯、そして六条の不思議な力に引っ張ら れて、光は死にかかっている最愛の妻・葵を捨て幽玄の世界へと引き込まれていく。 『卒塔婆小町』(そとばこまち)ー愛と美と死、自己犠牲の物語ー 『卒塔婆小町』は、1952年初演。小野小町と深草の少尉の伝説を現代化したものである。 美と死と愛という三角関係をそこに描いたこの作品は、『近代能楽集』の中でも一番の名作と いわれている。 公園のベンチ、老婆(小町)と詩人に交わされる言葉から、場面を鹿鳴館に変えた舞踏会の 風景へ、美しすぎることは罪なのか、美しすぎるが故のあまりにも悲哀に満ちた定めを負わねば ならない。 小町を美しいといえばその男は死ぬ、愛ゆえに男に言わせまいとするのだが、男は美しいと 言わないではいられない。そして小町は愛のために男を100年待つ運命の中にいる。 ※公式サイトより 美輪様演出の近代能楽集。二作とも時空を超えた濃密な愛の世界でした。 江戸川乱歩の小説のように、ゾクゾクする狂気と情念の世界を描いた「葵上」、禁断の恋心を胸に愛しい男性を待ち続ける老婆の哀しさを見事に演じた「卒塔婆小町」、どちらも耽美な美輪様ワールドが全開で、ただただ眼福 演出的には2005年6月に観た蜷川版の「卒塔婆小町」にあまりにも衝撃を受けてしまったせいか、やや淡白な印象も。舞台セットを含め、視覚的なイメージが「すでにそこにある」ので、観る側の想像力は不要……麗しい美輪様がそこにおられるということは「本当は美しいのだ」と想像する必要がないのだから。 ホワイエを埋め尽くす花、花、花……錚々たる面々ですね〜。 今日の座席は、「放出された関係者席」かも。4月の予定が流動的だったためチケットを申し込めずにいて、空席があればどこでもいいやとチケットサイトをのぞいたら……センターブロックの最前列が1席だけ空いてたんです 公演間際になっても諦めずにチェックするもんですね。にほんブログ村