NODA・MAP「足跡姫」
NODA・MAP第21回公演 足跡姫 時代錯誤冬幽霊 ときあやまってふゆのゆうれい 作・演出:野田 秀樹 美術:堀尾 幸男 照明:服部 基 衣裳:ひびの こづえ 東京芸術劇場プレイハウス 開演19:00 <キャスト> 三、四代目出雲阿国………………宮沢 りえ 淋しがり屋サルワカ………………妻夫木 聡 死体/売れない幽霊小説家………古田 新太 戯けもの……………………………佐藤 隆太 踊り子ヤワハダ……………………鈴木 杏 万歳三唱太夫………………………池谷 のぶえ 伊達の十役人………………………中村 扇雀 腑分けもの…………………………野田 秀樹 <STORY> 時は江戸。そこは鄙びた芝居小屋。 幕府から御法度とされている、女カブキが、河原で上演されている。三、四代目出雲阿国座の 看板踊り子、三、四代目出雲阿国(宮沢りえ)と、踊り子ヤワハダ(鈴木杏)が妖艶な踊りを 見せる。そこへ伊達の十役人(中村扇雀)が現れ、女カブキを取り締まろうとする。阿国の弟、 寂しがり屋サルワカ(妻夫木聡)ら男たちがすり替わり、難を逃れるも、一座の座長、万歳三 唱太夫(池谷のぶえ)の逆鱗にふれてしまい、阿国とサルワカは、一座に紛れ込んだ、腑分け もの(野田秀樹)、戯けもの(佐藤隆太)らと共に一座を追い出されそうになる。 そこで一座に残りたい一心の阿国は座長に嘆願し、出雲阿国座の再興に望みを託して、サルワ カに女カブキの「筋」なるものを書かせる。ところが、大衆をあっと言わせる「筋」なるもの を書くことができないサルワカの前に、売れない幽霊小説家(古田新太)が現れ、その「筋」 なるものをサルワカのゴーストライターとして、あっという間に書き上げる。その台本が、座 長に気に入られ、新趣向をこらした、新作「足跡姫」が、上演され・・・ ”肉体の芸術”に生涯をささげた先人たちに捧げる物語・・・ ※エントレより転載☆NODA・MAP 足跡姫 公演ページhttp://www.nodamap.com/ashiatohime/ ラストシーンを思い出すと今でも涙が出てきます。花の下にて春死なんそれも眩いばかりに満開の。美しいラストシーンとして私の記憶に鮮やかに刻まれました。 て、先にラストの感想を書いちゃいましたがそこに至るまではダジャレと言葉遊び満載の、いつものNODA MAPでした。花道やスッポンありのさながら歌舞伎の舞台を思わせる作り。笑いとドタバタから始まり、うーんと唸らせ、最後は泣ける。妻夫木くん演じるサルワカの(感動的な桜吹雪の中での)最後の台詞は、勘三郎さんへの弔辞的な意味も含んだ溢れる想いがいっぱいで、かつ「芸」を生業とするものの決意表明のように思えて、これまたグッと……劇場のあちこちからすすり泣きが聞こえました。 舞台模型。下手側通路の前方が花道仕様になっていました。 歌舞伎。能や狂言、雅楽、文楽などもそうですが、絶えることなく連綿と受け継がれる伝統芸能の世界は、型だけではなく故人の舞台に賭けるスピリッツまでもが受け継がれ、時に憑依するのではないかと妄想して勝手に胸が熱くなりました。「舞台の上は偽物の死で溢れてる」けれど、舞台人は肉体がある限り何度でも生き返り、別の人格を生きてまた死ぬ。それの繰り返し。凡人では気が狂いそうな世界を生きているんですね。歌舞伎界の風雲児だった勘三郎さんは楽になれてホッとしているとは思えません。きっと今日も劇場のどこかで誰かに取り付こうと目論んでいたかしら。それとも今回ばかりは大人しく座席で観ていたかしら。(ポエム失礼しました)にほんブログ村