維新派「台湾の灰色の牛が背のびをしたとき」
維新派 < 彼 >と旅をする20世紀3部作 台湾の灰色の牛が背のびをしたとき 作・演出:松本雄吉 音楽:内藤和久 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール 開演19:00 三部作の第一部作品「nostalgia」は日本人移民をテーマにした南米編、第二部(未見)は第二次世界大戦下のポーランドが舞台の東欧編、そして今回、第三部アジア編にて<彼>との旅の物語もいよいよ完結です。 今回も、身長4mの巨大な<彼>が登場しました。<彼>とは、二度の世界大戦によって破壊と発展を遂げた特異な時代を象徴するものです。肥大化した20世紀の歴史が最後に辿り着いた先は何があるのか…。ラストシーンの<彼>は、粋な山高帽を被った紳士でもなければ、飄々と普段着でくつろぐ庶民でもありません。そこに居たのは、迷彩服をまとい銃を手に掲げる彼。世界はまたも戦争へと向かっているのか…?色々と考えさせられるラストでした。 維新派の舞台セットは、昭和の懐かしさが至る所にちりばめられていて、涙が出るくらい胸がキュンとします。それでいて斬新。ノスタルジックでアバンギャルド。古くて美しい。その対照的な佇まいに息をのみます。今回のセットも前回同様、驚異的な奥行きのあるさい芸大ホールの端から端まで使い切ったもので圧巻でした。ホール公演とは思えません。★維新派 web sitehttp://www.ishinha.com/index.phpにほんブログ村