ヘンリー・メリヴェール卿シリーズ長編22作品中8作目にあたる
カーターディクスンの「五つの箱の死」
(Death in Five Boxes,1938,西田政治訳)
を読んだ。
時代は1937年4月。
病理学者のジョン・サンダース博士が18世紀風の赤煉瓦の家の前でマーシア・ブライストンに呼び止められるとことから事件が始まる。
一緒に行ってほしいといわれた最上階のフェリックス・フェイの住居でサンダースが見つけたのは,毒を盛られて気を失っている4人。しかも,そのうち一人は途中の階段で見つけた雨傘の仕込杖で刺し殺されていた。
マーシアの父,デニス卿の4つの時計をはじめとする,毒を盛られた人々がもっていた不可解なものの意味するところは? 誰にも不可能だったかのように見える,カクテルへの毒の混入方法は? 彼らの前に現れた,本来いないはずの3階の従業員の正体は?
などなどの謎が,ヘンリー・メリヴェール卿によって解決される。
ビルの出入りについて以外は,犯人といい,毒の混入法といい,時計の謎といい,解き明かされてみれば,お見事の一言につきるのだが,今回はなぜかひどく読みにくい感じがした。こちらのコンディションもあるのかもしれないが,文体が合わなかったのかなあ?
ちなみに,マーシアはケン・ブレークの妻エヴェリン・ブレーク(「ユダの窓」に夫婦で登場)の友人で,彼女からヘンリー卿が「あまり法律的でなく,超道徳的」であると聞いたことになっている。
また,サンダース博士は「読者よ欺かるるなかれ」にも登場する。
カーター・ディクスンの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (カーター・ディクスン)からごらんください。
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