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テーマ:ミステリはお好き?(1445)
カテゴリ:読んだ本(ミステリ・日本)
「沈黙」(日記は→こちらから)に続いて,
古川日出男の「アビシニアン」(2000)を読んだ。読後感はよかったが,この作品について書くことがなかなかできず,借りた本も返してしまったのだが,ほかの人がこの作品に関してどんなことを書いているのかが知りたく,かつ,「書いてから読む」というスタイルはくずしたくないので,記事にすることにした。 ということで,ちょっと中途半端なのはご容赦ください。 「沈黙」と「アビシニアン」はそれぞれ独立した作品だが,「猫つながり」ではある。 「沈黙」では,薫子が仲間と保健所と動物管理事務所の収容施設を襲い,猫を中野区内の公園に解放する。 そのきっかけになった中学2年生が,「アビシニアン」の「わたし」であり,薫子にいわせると「タフな本を読む」「においの大家」であり,「野生動物を連想させる」少女だった。 「アビシニアン」の「I」では,中学校の卒業式と同時に名前も戸籍も捨てた「わたし」が中野区の公園に帰って猫のアビシニアンと再会してともに2年弱を暮らし,アビシニアンの死とともに文盲となって公園を出る。 その2年間で無人島のような原生林の中で暮らすすべを身につけるのだが,彼女が「野生児」になったり,全体が「自然対文明」の構図で語られたりするわけではない。 コンビニ,スーパー,ドラッグストアを利用することはもちろん,隣接する高校のプールを利用したり,出会った男の子から死んだ姉の「古着」をもらったりもする。 「II」は,3月末に上京し,4月に彼女「エンマ」と出会った「ぼく」,「シバと名のる」,が文字を失うまでの話。 実は,この部分で何週間も書けずに停滞してしまい,本も図書館に返してしまったのだが,未だにわからずにいる。 出会いと,彼の偏頭痛と,理解ある教授の話と,最後の映像を経て「語り手」を自覚する……ここまでは,よい。「愛」の話としてもなかなかすてきだと思う。 でも,愛することで文字を失って,その後どうするのか???? もちろん,言葉を失ったわけではない。だが,彼はまだ大学1年生であり,エンマに比べ,多分だが文字の世界(本の世界)で知らないことも多い。理系らしく思われる部分もあるのだが,数字という「文字」がない限り,理系としてのそれ以降はない(ちょっとロマンチックでない表現だが,具体的職業とかではなく,思考経路のことです)!! まあ,このあたりがもっともわからないのだ。 「III」のほうはそれなりにわかりやすい。「わたし」がシバに語るエンマとマユコさんの物語。 公園を出た「わたし」が河を渡って都営霊園でマユコさんと出会い,「エンマ」という名前をもらい,「猫舌」でシバと出会う。 そして,シバとともにもう1つ先に行こうとする話……のような気がする。 最後に,ちょっとだけ文句を。 21世紀は2001年1月1日に始まり,3000年紀は2000年1月1日に始まるのだが,ここに作者,あるいは作中の人びと,の混乱が見られる。 というのも,「わたし」を中心とした話の「I」の終わりで文盲になった「わたし」が森を出るのは,公園内の人びとの会話から「わたし」が新たな千年紀の到来を知ったときであるにもかかわらず,「I」のタイトルが「2001年,文盲」となっているからだ。 「わたし」自身は「年表としての年代など,なにより絶対年代など」意味がないといい切っているのだが,読んでいる立場としてはそうもいかず(「沈黙」の年代特定に必要),ここは,タイトルに従い「2001」年としておくことにした。 以上で文句は終わり(笑) 古川日出男の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (古川日出男)からごらんください。 楽天ブックス 記事関連のオススメ日記 猫函(やぎ&うに&ルーさん) モグラのあくびさん rocketbooksさん お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/09/05 12:37:20 AM
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