カテゴリ:行動のポイント
森田先生は多くの色紙を残されています。その中に「日々是好日」というのがあります。
これは「ひびこれこうじつ」ではなく、「にちにちこれこうじつ」と読みます。 中国の雲門禅師の言葉です。 これは毎日毎日、悩みがなく、楽しいことばかりでいいことだらけという状態を思い浮かべるかもしれませんが、全く違います。 そもそも人間生きている間苦労はつきものです。朝起きて、ルンルン気分で鼻歌を疑いながら、歯を磨き、身支度をし、食事をして悦んで会社に出かけるなんて躁病の人以外は考えられません。 普通の人は、仕事は一杯溜っているし、上司は気難しい人だし会社に行きたくないと思いながら起き出す。寒くてイヤだなあと思いながら会社に出かける。つらいけれども仕事をしないと家族を養っていけない。と思いながら生活しているのである。 神経症の人はいつも気分よく生活していたい。朝起きた時も、仕事に出かける時もどうも気分が悪い。気分の悪さを取り除いて、気分よく行動したい。その気分に引っ張られて、会社や学校を休んだりしています。 そんな状態の中で「日々是好日」とは、今日一日イヤイヤながらでもなすべきことに手をだしてゆく。森田では「努力即幸福」という言葉があります。手をだしたからといっても必ずしも目的や目標が達成できるとは限りません。 でも人間が生きていることは、なすべきことに手をだしたかどうかということです。努力したその過程が「好日」となるのです。 手をだしてみると難しいと思っていたことがわりとすんなりできたり、反対にあまくみていたことが難しかったりすることが分かります。また失敗することによって、分かってくることもあります。創意工夫が生まれてくることもあります。 森田先生がよく例に出される正岡子規は、痛みに常に襲われながらも創作活動は続けていった。これが「日々是好日」ではなかろうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.02.01 07:20:26
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