カテゴリ:生活の発見会・集談会
生活の発見誌に丸山晋先生の「甘えの理論と森田療法」という記事がある。
この中で、「人間生まれてずっと、人間関係の中で生活しているわけですが、そのスタートにおいて「甘え」を十分に味わうことで、人とのつながりを確認でき、それによって、心が発達していくというふうに思います」と指摘されています。 幼児期、学童期の親や周囲の人との人間関係が、大人になってからの人間関係に大いに影響を与えているというのである。全くその通りである。 森田理論で考えてみたい。 人間は最終的に自主的、自立的に生きていく必要がある。 そのためには意欲や欲望が高まってこなくてはならない。 意欲や欲望が高まってくれば行動へと駒を進めることができる。 ところがここで一つ問題がある。 欲望と対になって不安や恐怖が発生するのである。 森田理論では欲望と不安は表裏一体と考えています。 ここで不安や恐怖を押しのけてでも、目指す目標や目的に邁進することができる人と、不安や恐怖を取り去ることに邁進する人に分離してしまう。 不安や恐怖にとらわれてしまう人は、幼児期に周りの人に温かく見守られながら、新しいことに挑戦し、能力を身につけてきたという体験が少ない。 反対に自分が新しいことに挑戦しようとすると、制御がかかったり、自分になりかわって周りの人が行動してくれていたのである。 それは自分が目の前の問題を解決しようとしているのに、後ろから自分に石を投げられているようなものだ。 すると本来自分の後ろ盾となる人が、敵に寝返って自分に攻撃してくるような状態となる。 もはや目の前の敵や問題に対処することはできない。 まずは後ろの敵に対して防御をしかないと自分の存在さえもが危うくなってきたのである。 だから幼児期、学童期の周りの人、特に親子の人間関係は大切である。 不幸にして「甘え」を十分に味わうことができなかった人は、今からでも遅くはない。 集談会のような温かいグループに身を寄せることが大切だ。 同じような悩みを抱える人たちの自助グループはたくさんある。 そうしたグループに身を寄せて、受容と共感力をつけていくことだ。 私は集談会に身を寄せて27年になるが、仲間が受け入れて共感してくれ、ほめて、励まし、いたわってくれたおかげで、自分に多少なりとも自信がついてきたと思う。 何かあった時相談するのは、そうして培ってきた仲間たちであると思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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