カテゴリ:森田療法と他の療法について
大人になってから次のような癖がある人がいます。
爪を噛む。指を口にくわえる。髭を抜く。髪を抜く。白髪を抜く。 私も無意識のうちにそんなことをしている時があります。 ビデオなどを見ていると子どものように見えます。この心理を調べてみました。 爪を噛むというのは「自傷行為」だとありました。 無意識のつもりでも、自分を傷つけようと脳が命令をおくっているのだそうです。 そういう心理が働いていることが不気味です。 「自傷行為」の代表的なものに、リストカットがあります。 これは命にかかわる大変な行為です。周りの人は本人を責めます。 でも問題の核心はそこにはありません。 本人は、命に引き換えにしてもかまわないほどの苦しみを抱えている。誰でもいいから助けてくださいというメッセージを発しているのです。 そこに焦点を当てないと問題解決にはなりません。 爪を噛む、指をしゃぶる等は命にかかわることはありませんが、心理的にはそれに近いものがあります。 他者との人間関係、夫婦、親子の人間関係、仕事や勉強、進学や就職、健康、経済的な問題などで自分の思い通りにならないという問題を抱えているのです。 何らかの心の苦しみ、ストレス、不平不満、イライラ感、情緒不安定等を抱えています。 爪を噛む、指をしゃぶるというのは、不衛生である。見苦しい。 等ということはありますが生活に支障があるというわけではありません。 ですからどうしても治すということは必要ないのではないかと思います。 でも、その行為に学んで自覚してほしいことが2点あります。 これは私自身に言い聞かせていることです。 第1はそのストレスは、自分が作り出して自分で勝手に苦しんでいるだけではないかということです。 自分を抑圧して他人中心の生き方をしていて苦しい。 「かくあるべし」思考方法で現実との葛藤を生み出している。 あるいは「完全主義」「白か黒といった極端な二分法的思考」 このパターンにはまり込むと途端に葛藤や苦しみが出てきます。 この点、私は森田理論学習と実践を心がけている関係で多少なりとも改善できていると思っています。 改善できるのに、ストレスの生成原因を知らないで苦しんでいるのはもったいないと思います。 第2にイライラの原因はせっかちであるということが関係していると思っているのです。 例えば本能的な欲望が湧き起ってくるとすぐに欲望を充足させたい。そのために衝動的になることもある。 食欲、性欲、物欲、睡眠など少し我慢する、ちょっと耐えるということが苦手なのである。 自制心が働かないで、欲望の暴走が起きているのである。この場合後で後悔することがよくある。 また不安や恐れがあると一刻も早く取り除きたい。取り除くことができないとすぐに逃避する。 逃避するから、ますます注意が向いて悪循環に陥る。つまり気分本位で行動しているのである。 動物と同じ行動パターンである。 これは、欲望の不安の調和がとれていない。森田でいうバランスが崩れている。 白か黒といった極端な二分法的思考に翻弄されている状態です。 バイク、スキー、ヨットでも右に曲がろうとすると、遠心力に抵抗するために右側に体重をかけていくではありませんか。 すると遠心力とのバランスがとれてきてスムーズに曲がれる。 これを反対に、左に体重をかけると目的の達成は困難となります。大事故につながります。 運動ではよく分かるのですが、心の問題となると、よく分からないのか全くバランスがとれていません。 私が「やじろべい」で、欲望と不安のバランスの意識付けを常に心がけて生活しましょうと提案している真意はここにあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.07.16 07:01:24
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