カテゴリ:森田療法と他の療法について
一昨日森田理論の学習会に参加した。とても参考になることがあった。
入院森田療法は4期で構成されている。 第1期臥褥である。約1週間は何もしないでじっとしている。 第2期は軽作業期である。無理しないで散歩程度から始める。 第3期は重作業期。日常生活で気がついたことにどんどん手を出していく時期である。 第4期は日常生活訓練期である。環境に柔順、純な心、臨機応変、創意工夫できるような時期です。 この4つのサイクルは日常生活にも応用できるという話しでした。 まず注目してほしいのは第1期の持つ意味である。 神経症のきついとき、あるいはうつで気力が全く起こらないとき。 普通は自分を「こんな自分ではダメだ」と自己否定して、叱咤激励してなんとか動こうとする。 それが楽になる道だと考えている。それは間違いだということである。 そんな時は何もしないでごろごろして休んでいたほうがよい。 家庭で休息できないときは入院してでも体を休めることだ。 動物でも大けがをすると、ほら穴のようなところに身を隠して、じっとして傷がいえるのを待っている。 その間食事もとらない。 これは血液中に白血球の食べる材料を少なくして、侵入してきた病原菌を食うということで体の回復に役立っているそうだ。 それを人間の場合は、栄養をとらないと病気はよくならないのだと勘違いしているのである。 そうすると血液中に栄養がいっぱいになり、白血球の免疫機能は十分に働かなくなるのである。 何もしないで心身ともに自然治癒力に期待することを基本に据えないとならない。 だから心身ともにつらい時は体を休めてくださいという自然のサインなのである。 それに素直に対応することが大事である。 森田ではなすべきをなすということで、3期、4期を重視しているが、それと同様に1期、2期も大きな意味を持っているのである。 次に、この4つのサイクルは、自分たちの生活を考えた場合、一方的に1期から2期、2期から3期、3期から4期へと一方通行で硬直したものではない。 この考え方を生活に活かすとすれば、逆の道を歩むこともあるのだ。 状況に応じて変化させる必要があるのだ。この考え方をよく理解してほしい。 つまり生活していて心身が疲弊して、しんどいなと思うことはよくある。 例えば過労がある。仕事をしている人は、サービス残業は当たり前。 土日出勤しないと仕事が回らないという人がいる。有給休暇などは取ったこともない。 かっての私がそうだった。 そういう人は3期、4期の段階でキャパオーバーになっているのだ。 そういう場合はその前の段階に戻る。最悪第1期に戻る必要があるのだ。 そしてそのうちに回復してきたら2期にあげていく。 前の段階に戻ることは、決して恥ずべきことではない。 自分の現在の心身の状態に行動を臨機応変に変化さているということなのです。 考えてみれば私たちの1日の生活もこのサイクルで動いているのです。 夜になると寝て心身ともに休んでいます。 朝起きて朝日を浴びて、洗面、身支度、トイレで用を足したり、朝食をとったりして、屋外に出ます。 これは第2期の軽作業期にあたります。 それから徐々に本格的に仕事、勉強、家事などに取り組みます。 そのうち弾みがついてどんどんと気づきや発見が出てきます。 そして創意工夫してものそのものになりきって行動できるようになります。 これがまさに4期の状態です。でも日が落ちてくる頃には、心身ともに疲れてきます。 おなかが空いてきます。だから今日の仕事をクールダウンさせて家に戻ります。 さらにお風呂に入って疲れた体と心をケアしていきます。また1期の段階に戻っているのです。 日常生活は第1から第4期までを一日のうちで繰り返しているということなのです。 これを第1期の心身を休める時間帯に、夜遅くまでネットゲーム等にはまっているということは、自然なサイクルを自ら壊し、心身の不調を手招きしているようなものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.12.01 07:05:35
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