カテゴリ:観念重視から事実重視への転換
森田では事実つかむ努力をしなさいと言われます。
それから先、いい悪い、正しい間違い、役に立つ役に立たない、幸福不幸等という価値判断をしないほうがよい。 価値判断をするということは、よくないこと、悪いこと、間違っていることをしている人を見ると、否定したり、批判したりするようになります。 事実を無視して何でもすぐに価値判断する人は神経症に陥りやすくなります。 今日は価値批判の成り立ち、特徴を見てみましょう。 この是非善悪の価値判断というのは、自分のモノサシを使って行います。 自分のモノサシはそもそも何でしょうか。 ・モノサシは、個人の主義、主張、思想、信念、好み、クセ、とらわれ、思い込み、勘違いなど自分の価値基準です。 家庭環境や親からのしつけ、教育、個人的体験、周りの影響などによってモノサシがたくさん作られます。 ・そしてその物差しとは、人によって、時代によって、場合によっていくらでも変わります。 文明が進めば進むほど、社会が複雑になればなるほど、数が増え、モノサシの基準が時によって変わり、状況によって変わり人によって変わります。 法律、ルール、マナー、常識などもモノサシです。 社会の秩序を維持するためには必要なものです。 しかし、これらは都合によって時代とともに変化してゆきます。 ・自分のモノサシと人のモノサシは一致しません。 ・モノサシの不一致によって、怒りや悩み、利害の対立、トラブル、争いが起こるのです。 特に宗教の対立などはその最たるものです。 ・モノサシが丈夫なほど怒りが強くなり、悩みが深くなり、対立が激しくなります。 ・モノサシがやわらかければ、「まあ、いいじゃないか」と冷静になり、話し合える可能性が生まれ、解決できる可能性が生まれます。 ・双方のモノサシがやわらかであるならば、解決はもっと簡単になります。 怒りは、「自分が正しい」という思い込み(ものさし)から生まれます。 戦いは、正義感や怒り(モノサシ)から生まれます。 悩みは、本音と建前(モノサシ)の違いから生まれます。 トラブルは、双方の正義感(モノサシ)から生まれます。 幸不幸は、価値観(モノサシ)からうまれます。 自信喪失、自己嫌悪、コンプレックスはとらわれ(モノサシ)から生まれます。 嫉妬は、執着(モノサシ)から生まれます。 すべての不幸はモノサシから生まれる。 以上の視点から、是非善悪の価値判断をして相手を批判しそうになった時は、少し間をおいてみることが必要です。 そして事実関係をさらに把握して、その背景に思いをはせるという態度がとても重要になると思います。 (非対立の生き方 高木善之 ビジネス社より引用61から63ページ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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