カテゴリ:人間関係、不即不離
私たちは他人を自分の価値観でさばいていることはないだろうか。
一旦、自分の価値観に合わないと判断すると、以後毛嫌いして相手のやることなすこと先入観で否定したり軽蔑するようになる。決して相手との関係性を元に戻したり、見直そうとしない。 例えば、自分に対して気に障るようなことを言った。馬鹿にするようなことを言った。 みんなの前で自分のミスや失敗を笑いものにした。 からかった。叱責や非難をした。存在を否定した。 無視した。自分に暴言を吐いた。暴力を振るった。 相手は悪気がなくても、自分はとても腹立たしい。 それが精神交互作用で、どんどん増悪して、アリ地獄に落ちた状態になる。 仕返しにもう一切口を聞かない。没交渉をつらぬこうと決心してしまうのだ。 そうなると注意や意識は、目の前の仕事や日常茶飯事の方には向かなくなる。 寝ても覚めても、相手の一挙手一投足に注意が向いてしまう。 一発触発状態になると、神経が過敏になり、とてもしんどい。 意地を張っているというか、融通が利かないというか傍から見ているとどうしてそこまでという感じに発展することもある。周りのものも腫れ物に触るようにとても気を使うようになる。 しばらくは意地の張り合いが続くが、最後には、どちらかが退職して決着するということになりがちだ。 そんな二人も最初から犬猿の仲だったわけではない。 ちょっとしたことをきっかけにして、双方が自分の「かくあるべし」を相手にぶっつけた結果生じたことである。そこには、お互いに相手をののしり合い、否定し合うことしかない。 人間は本来長所と短所は同じ数だけ持っているものだが、一旦いがみ合うようになると、相手の短所、弱み、存在自体にばかり目が奪われて、相手と張り合って勝つことが目的になってしまう。 どうしてこんなことになるのか。 腹が立つけれども、とりあえず相手の言動を受け入れるという態度を全く持ち合わせていないことに原因があると思う。理不尽な事実を受け入れるという包容力が欠けているのが問題だ。 森田でいう事実を受け入れるという能力を身に着けていると対応方法は全く異なってくる。 その時はとても憤慨する。なんとか仕返しをしてすっきりしたいと思うだろう。 その感情を否定しないが、そうかといって軽率な態度に出ることもない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.06.02 22:39:12
コメント(0) | コメントを書く
[人間関係、不即不離] カテゴリの最新記事
|
|