カテゴリ:感情の法則
神経症の不安や不快感などは、いわば自己の内部での葛藤といえるかもしれません。
取り除いてすっきりしたという気持ちに突き動かされて、やりくりしているうちに、次第に蟻地獄に落ちてしまうというものです。日常生活、社会生活、対人関係などで悪循環に陥ります。 ただし、そのために直接周囲の人を攻撃して危害を加えるということはまれです。 それに対して、怒りや悲しみ、本能的な情動を直接周囲の人にぶっつけてしまう人がいます。 気に入らない情動や本能的な情動を外部に吐きだしてしまう人です。 些細なことで過剰反応したり、極端な言動となって現れたりします。 その変動の激しさが、時として、周囲の人を巻き込んでしまうのです。 こういう傾向は、「境界性パーソナリティ障害」の特徴とされています。 情動がコントロール不能となり、暴走してしまう人の特徴は2点あります。 第1点として、気分や感情の微妙なコントロールがうまくいかず、気分のアップダウンが激しいということです。2点目として、とても傷つきやすく、一間些細に見える出来事に対して、過剰な情動反応を起こすということです。 神経症に境界性パーソナリティ障害が同居しているととても厄介なことになります。 日常生活、社会生活が後退し、対人関係が不安定になります。 絶えず周囲の人を巻き込んで、トラブルをまき散らすということになります。 皆さんの場合はどうでしょうか。私自身はこの傾向が強いと感じています。 普段は人に嫌われないように細心の注意を払って、耐えたり我慢しているのです。 ところがその我慢の限界を超えてしまうことがあります。 ダムの貯水量が小さいので、少しの大雨ですぐにあふれ出てしまうのです。 あるいは決壊して、後で修復困難という状態に陥ります。 それの繰り返しでした。すると次第に他人が寄り付かなくなるのです。 孤立して味気ない人生を過ごしていかざるを得なくなります。 まずは自己診断でこういう傾向があるかどうか自覚することが必要です。 アメリカの精神医学会の診断基準(DSMーⅣーTR)が役立つと思います。 こういう傾向が強い人は、医療面での治療が必要となります。 薬物療法、認知療法、行動療法などがあるようです。 医師やカウンセラー、自助グループの助けを借りることです。 次に、こういう傾向が時々現れるという人がいます。 一般的にはこちらの方が多いと思われます。日常的には問題はない人です。 ところが、お酒を飲んで酔いが回ると顕著にその傾向が出てくるという人がいます。 こういう傾向のある人は、みんなと一緒の飲酒は控えることが賢明です。 どうしてもというときは、親しい人に訳を話して制御機能をお願いしておくことです。 注意されたら素直に従うことです。 また気分や体調を理由にして、途中退席することです。 寄り道しないで、タクシーでまっすぐに家に帰ることです。 情動の暴発というトラブルを回避するためには、この方法が一番だと思っております。 情動の暴発を抱えている人には、参考図書として、「境界性パーソナル障害 岡田尊司 幻冬舎新書」をお読みになることをお勧めいたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.01.09 06:20:05
コメント(0) | コメントを書く
[感情の法則] カテゴリの最新記事
|
|