カテゴリ:森田理論学習の進め方
落語家の立川談四楼氏のお話です。
落語家というのは、付き人見習い、付き人、前座、二つ目、真打と昇進していく。 大まかにいうと、付き人は1年から2年、前座は5年、二つ目は8年から10年、真打は15年くらいかかる。 なかには前座から2つ目に昇進できない人もいる。 一人前の落語家として扱われるのは、二つ目からです。 付き人見習い、付き人、前座はひたすら修行の毎日です。 挨拶、掃除、片付け、お茶くみ、鞄持ち、車の手配などをこなす。 談四楼氏は談志師匠から、着物のたたみ方、現場でのルール、談志の好みなど徹底して教え込まれた。 落語の修行をしたくても、落語の稽古をつけてもらうことはない。 師匠の側にいて、立ち振る舞いや気配り、芸を覚えるということになる。 1年ほど経った頃、寄席に出入りする落語家やその他の芸人の世話をする仕事をするようになった。 下足番、上着の着脱、受け取り、ハンガー掛け、お茶出し、高座返し、太鼓叩き、タバコを買いに行く・・・。 寄席には落語家だけではなく、漫談師、漫才師、手品師、曲芸師などがやってきます。この人たちの名前を憶えて、それぞれの好みに合わせた的確な対応をする仕事です。 たとえば、お茶出しでいうと、まず出すタイミングがある。 そしておいしいお茶を入れることが求められる。 お茶出しをついうっかりして、忘れていたというのでは話にならない。 熱いお茶を好む師匠もいれば、ちょっと温めのお茶を好む師匠もいる。 きちんとこなしていると、師匠から評価されるようになる。 度重なると、「今度、ウチにいらっしゃい。稽古をつけてあげるから」と言ってもらえる。 ここで「落語修行をしているのに、なぜお茶くみや雑事なんかをしなければならないのだ」という気持ちで取り組んでいると、いつまで経っても声はかからない。 前座時代の落語修行ですが、基本と基礎を固める時期です。 前座は決まった文句のマクラしかやってはいけないのです。 古典落語もアレンジを加えてはいけない。 基本を忠実にこなすしか道はない。 才能があれば、個性を発揮して、お客様が喜ぶような噺をしてもよさそうに思うが、そこをぐっと我慢して基本を固めることに専念しないといけないのです。 基本に徹して基礎を固めることで、初めて応用とステップアップが可能となるのです。(ほめる力 立川談四楼 学研参照) 順調にいけば6年から7年ほどでプロの落語家である二つ目になれる。 プロ野球でいえばドラフトで指名されてプロとしての第一歩をふみだすことができる。 これをもとにして森田理論学習の進め方を考えてみましょう。 私は基本と基礎固めに3年を見ています。 1年目は森田理論学習のテキストに従って森田理論の基礎を固める。 神経症とは何か、神経症の成り立ち、神経質性格の理解、感情の法則の学習、認識の誤りの学習、行動のポイントの学習、治るとはどういうことかの学習、森田の特殊用語の学習などである。基本と基礎が確立していないと型無しになってしまいます。 2年目は森田理論の全体像の学習に進む。 森田理論には4つの大きな柱がある。不安の役割・不安と欲望の関係、生の欲望の発揮、「かくあるべし」発生と弊害、事実本位の態度の養成である。 それぞれの深耕と相互の関連性の学習です。 3年目は森田理論の活用と応用です。 自分に引き寄せて考えることです。その際集談会の学習仲間や先輩会員を大いに活用していく。 このプロセスを踏んで森田に取り組めば約3年で立川談四楼氏のいうプロの二つ目になれる。 オリンピックのマラソンでいえば、国内予選を勝ち抜いてスタート地点に立つようなものです。メダルが取れる可能性が出てきたということです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.06.15 06:28:19
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