図書館で『人間の未来 AIの未来』という本を、手にしたのです。
おお 山中伸弥先生の対談が出ているではないか・・・ちょっと古い本であるが、有意義なアイデアが見えるかも♪
【人間の未来 AIの未来】
山中伸弥×羽生善治著、講談社、2018年刊
<「BOOK」データベース>より
人工知能、進化するロボット、iPS細胞による最先端医療ー私たちの暮らしはどう変わっていくのか?ノーベル賞科学者と史上最強棋士が「10年後、100年後の世界」を予言する。
<読む前の大使寸評>
おお 山中伸弥先生の対談が出ているではないか・・・ちょっと古い本であるが、有意義なアイデアが見えるかも♪
rakuten人間の未来 AIの未来 |
どこから読んでもいいのだが、「第8章 十年後、百年後、この世界はどうなっていると思いますか?」から見てみましょう。
p202~204
<人間は不老不死になれるのか>
羽生:たとえばiPS細胞による再生医療やゲノム編集技術によって、病気がすべてなくなったら、人間は不老不死になることも可能なのでしょうか。
山中:いや、老衰は間違いなく起こるでしょう。今のところ、生きることができるのは、細胞の寿命である百二十歳くらいまででしょうね。
僕もびっくりした話があって、血液を作る細胞である造血幹細胞が骨髄にあります。生まれた時は確か1万個くらいと少ないんです。造血幹細胞自体はあまり増えないけれど、分化する途中に前駆細胞を作り出して、その子たちが急激に増えて赤血球や白血球、血小板になって、どんどん入れ替わっているんです。
ただ、造血幹細胞も時々は分裂しなければいけない。分裂していると、遺伝子に傷が入ったり、寿命で死んだりしていくものもあります。だから造血幹細胞はだんだん減っていくだろうとは思っていました。百歳くらいの人を調べたら、造血幹細胞が二個しかない。
羽生:二個でやりくりしているわけですか。
山中:その二個がすべてで、何もせずにゼロになったら、間違いなく終わりです。そrが老衰による死です。でも、そこで骨髄移植をすれば、移植された造血幹細胞が血液をつくりだすようになります。
心臓も基本的には生まれたままの細胞がずっと残っていますから、生まれて百年以上経てば、やがて心不全になります。ただ、これも心臓移植をすることができます。足が弱っても、人工関節などの技術が今は進んでいます。
あとは能ですね。能も基本的に生まれたままで、脳細胞は滅多に増えません。でも脳を入れ替えてしまうと、その人がいったい誰なのかわからなくなりますね。
羽生:もはや本人とは言えなくなってしまう。
山中:だから、決め手になるのは脳じゃないでしょうか。そこまでやるか、という話です。でも脳以外は、超大金持ちがお金にモノを言わせて臓器や細胞などの移植を続ければ、理論的には更新できます。一方で、臓器移植をするには、拒絶反応を抑えるために免疫抑制剤を投与する必要があります。これには副作用があるので、免疫抑制剤によって健康が損なわれてしまう可能性があります。
基本的に老化によって造血幹細胞がどんどん減って、脳も間違いなく衰えてだめになるので、そう考えると、やっぱりヒトの寿命は百二十歳くらいが限界なのではないでしょうか。それとはまた別の問題として、それ以上生きていて楽しいかどうか、ということはありますけど。
羽生:不老不死の体を獲得できるか、獲得できてもそれが幸せなことか・・・昔からあるテーマですね。
山中:しかしそう考えると、生物って本当にすごいですよ。人間にしても、よくこんな精妙なものができたなと思います。たとえば進化論が説明するような偶然の産物だけで、本当に僕たちはできているのかなと感じる時もあります。
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『人間の未来 AIの未来』3:ヒトゲノム・プロジェクト
『人間の未来 AIの未来』2:iPS細胞の最前線
『人間の未来 AIの未来』1:フルマラソンで研究資金を集める
羽生:
山中: