気温40℃の記録の出た今年の夏。毛皮の脱げないウサギは、バテバテでした。
開放されているベランダと洗面所の一番涼しそうなところを選んで、腹ばいになってヒホヒホしていました。ここまで気温が暑くないでくつろいでいるときは、投げ出す後ろ足も片側に揃えていたのですが、こう暑いと姿にかまっていられないのでしょう、完全に両手両足を万歳の形で伸ばして床にくっついています。
床はそれでも涼しいのでしょうか。呼吸の早さも1秒間に3回から4回の速さで、もっとゆっくり呼吸したらとも思うのですが、犬のように舌も出せないウサギでは呼吸で冷やすしかないのでしょう。
ウサギは耳で放熱すると聞いたことがあったので、扇風機を当ててやれば喜ぶかと、居間から持ってきて緩やかな風を当ててやりました。ところが、迷惑そうな顔をして、ベランダに逃避してしまいました。
前回、毛球症で懲りていますから、パイナップルジュースを薄めてやります。これもすぐに暖まってしまいますので、氷を入れておいたら、最初は警戒していたのですが、最近はそれにも慣れて喜んで待つようになりました。
冷蔵庫にジュースを取りに行く音を聞きつけると、寝ていたのがシュタッと起きて、台所と洗面所を境する廊下の際まで出迎えて、ジュースを持ってきてくれるのを待っています。
いざ持ってきてくれるとわかると、嬉しそうにいつも食事をする場所に戻って、こちらを見つめて待ちます。その様子を見ているだけで、ついつい声をかけてしまいます。
この時期に我が家のウサギが好きなのものに、桃があります。桃と言っても皮を与えるのですが、これも喜び方が大変なのです。私たちが桃を食べようと冷蔵庫から出して皮をむき始めると、その香りがいつも寝そべっている洗面所に漂うのでしょう。鼻をひくひくさせてまたもや洗面所の廊下の際まで迎えに来るのです。
その様子が嬉しそうで、行ったりきたりしてもういても立ってもいられないと言う様子です。時には舌なめずりまでします。耳の様子もピッと立ってこちらの動きを一言も逃すまいとしています。
ウサギは自分が行っていい範囲をしっかり承知していて、ドアを開け放してあっても決して他の部屋には行きません。トイレはベランダですることを決めていますので、洗面所にお漏らしすることはめったにありません。夜はベランダで過ごすようにしているのですが、たまに洗面所で夜を過ごし、ベランダと洗面所の間の扉が閉めてあるときは扉を開けてくれるまで我慢をしています。私たちが起床するのが遅くなってしまったときは我慢できなくなってお漏らししますが、そのときはなんとなく申し訳なさそうな態度をしていて、掃除をしているとごめんなさいとベランダに行ってしまいます。
夜は大好きなクッキーをもらうまでは洗面所にいますが、もらうとさっさとドアのところに行って、「ドアを開けて」とこちらを振り返ります。この目の訴えかけ方は、ウサギは言葉は話せなくても十分意思を伝えることができるものだと感心します。
朝は朝でドアを開けるのを待ちかねた様に飛び込んできて、ちょっと普通の餌を食べた後は、人がヒゲを剃っている足元で、ズボンのすそをクイックイッとひっぱて、クッキーをねだります。私だけにねだるのかと思っていたら、ちゃんと人を見分けていて、まだねだっていない人には、そちらからもせしめているようです。あまりやりすぎると糖尿病になるのではないかと心配ですが、ついつい甘やかしてしまいます。
こんな毎日で、どうやら今年の暑さも何とかしのいでくれそうです。今年でもう6年目に入っているので、来年の夏もこんなに暑かったらどうなるのだろうとちょっと今から心配です。
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