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きょういく ユースフル! ~ 僕は触媒になりたい ~

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2006年08月24日
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カテゴリ:個人的な日記

いよいよ最終日です。
もう、この日は「べてるの家」しかありません。
(公式ホームページ:http://www18.ocn.ne.jp/~bethel/ )

北海道南部、浦河の町にある小さな、
しかしいろいろな部署に分かれて精力的に活動されている、
精神障害者作業施設の一種です。
ただ、ここの特色はそういった通り一遍の説明をはるかに超えています。

障害のある方々が働く「会社」としては、
多分、現在の日本の中でもっとも利益を上げている「会社」だと思います(結果的に)。
メンバーが全国各地で講演されていたり、
数年前から「ニュース23」で紹介されていたりと、
一部では大変有名な存在になっています。

「べてるの家」の本もたくさん出ているので、
全く知らなかった方は、多分このブログを読むより
そういった本を見たほうがいいです。
多分私のフィルターを通して発信する情報はとても偏っていると思うので・・・

「べてる」の理念はたくさんあります。

そのうち、「3度の飯よりミーティング」くらいなら、
コミュニケーションをとても大事にしてるんだな、
個人の効率主義・成果主義ではなく、
チームとしてのつながりの中でみんなが和気あいあいと作業できることをめざしているんだな、と、
まだ理解のしようもあるかもしれません。

しかし、
安心してさぼれる職場作り
べてるに来れば病気が出る
勝手になおすな自分の病気」などの理念標語にいたっては、
たとえ「べてる」の本を読んで共感していたとしても、
心から理解するのは難しいのではないでしょうか。

ここでは、「病気」は全く克服すべき課題ではなく、
「障害」は全く否定されるべきものでなく、
それどころかもしかすると全面的に肯定されちゃっているのです。

「さぼる」ことが全く悪でない職場なんて、信じられますか???

それが「べてる」の強さであり、
べてるの理念でいうところの、「弱さを絆に」の世界観だと思います。

 

今回の北海道旅行、ウラのメインエベントです。

正直、行く直前まで、どんなところかなという不安はとても大きかったです。

「べてるの家」のことを紹介した『悩む力』を読んで、
知識としてはわかったような気がしていました。
けれど、実際に「精神障害の大人の方」に会う前は、とてもこわかったです。
それは、今まで経験したことのないことやものを異質のものとして排除してしまおうとする
自分の中の差別性そのものでした。

今回の「べてる」は、自分の中の差別性と向き合い、
それを解消するカタルシスの旅でもあったわけです。

実際、面と向かってお話してみると、「べてる」の方はとても明るい方ばかりでした。

精神障害のある方も、知的障害のある方も、
「ぼくは○○病」と堂々と自分のことを語ったり、
笑って日々のエピソードを話してくれたり、
誰にでも気軽に話しかけて、どんなタブーもないかのようになんでも口にされる様子を見て、
とても安心し、「やはり来てよかった」と思いました。

タブーがないといっても、他者を大切にしようとする気配りは非常に感じられました。
ただ、「自分を認める」ということが、
心の深いところから根こそぎごっそりとできている感じで、
どの方も全くこそこそしたところがなく、とても自然で普通でした。

「べてるの家」のことを説明してくださった
オリエンテーション担当(「迎能プロダクション」としゃれた名前がついている)の3人からは、
みなさんが考えて冊子にまとめたという、すてきなかえうたを紹介してもらい、
実際に歌ってもらいました。

その物怖じしない歌い方にも、
歌詞のもつおもしろさにも、
素直に感動してしまいました。

このときに買った、かえうたの小冊子。
今、その中をじっくり見てみました。
全ての曲を頭の中でかえうたで歌ってみました。

う~ん、いい!
みごとです。(^^)

ちょっと抜粋してみましょう。

(「戦争を知らない子どもたち」のかえうたで)

「目つきが悪いと 許されないなら

 体が臭いと 許されないなら

 今の私に残っているのは

 涙をこらえて 歌うことだけさ」

 

(「高校3年生」のかえうたで)

「アーアーアーアーアー

 明るい 精神病~

 ぼくら グループホームに住もうとも

 自炊してる人は たくさんいる」

同3番
「ぼくら 自分のことがわかったら

 友に教えよう ミラクル人生を」

※べてるでは自分の病気を自分で研究するということがとても明るくおこなわれています。

(「365歩のマーチ」のかえうたで)

「災害は、 歩いてこない

 だから逃げていくんだよ」

 

(「世界に一つだけの花」のかえうたで
 「世界に一つだけの命」)

「人それぞれ病気はあるけれど

 どれもみんなステキだね

 

 だれと付き合ってもいいし

 子どもを作ってもいいけれど

 チョット待って仲間に相談しよう

 相手も自分も大切だ」

※この作詞は「今度産む社」という、
 べてる内の性を考えるミーティングチームがしています。

 べてるは何よりも「ミーティング」を大事にしているので、
 男ばかり集まって話し合う「野郎の会」など、
 さまざまなミーティングがおこなわれているのですが、
 なかでも一番ビックリしたミーティングがこの「こんどうむ社」です。
 なんてストレートなネーミング!

 ただ、冷静になってよく考えてみると、
 性のことは 障害のある人にとっても、ない人にとっても、
 とにかくこの世に生きているすべてのものにとって、
 とても大切なことであるのは確かです。

 「べてる」は性のことも堂々と、恥ずかしがらずに真剣に考えています。

 そのことは、「べてる」的視点に立つなら、あまりにも当たり前なことでしょうが、

 そうでない視点から見るとあまりにも先を進んだ考え方です。

 この明るいとらえ方は、私達の価値観をゆさぶりますね。

 やはりべてるは予想以上に衝撃的でした。

 

(「太陽がくれた季節」より)

「キミも 今日からは べてるの仲間

 飛び出そう 青空の下へ」

※かえうたとしてはちょっとだけしか変えてないのですが、
 「べてる」の明るくて堂々とした雰囲気と合っていたので
 最後に紹介してみました。

ちなみに、このかえうた集、
最初のページの「迎能プロダクション紹介」というメンバー紹介もすてきです。

特に、「そうじ部の部長やってます。」という
Tさんの紹介。
「迎能プロダクション」的活動と何の関係もない肩書きがぐっどです(^0^)

 

さて、そんな感じで楽しくご本人たち自身からのオリエンテーションを受けた後、
ぼくたちは「4丁目ぶらぶらざ」という、「べてる」のお店に行きました。

このとき売り場を見て、またまた驚くことがありました。

それは何かというと、
誰かが考えたことが実現する敷居が低い
ということです。

たとえば本にしても、きちんとした装丁の本屋で扱う本もあれば、
ガリ版刷りの手作り色の濃い本もあり、
それが「べてる」では同列にあつかわれ、陳列されます。

絵葉書も、きちんと商品化したものではなく、
既成の無地ハガキに、プリンタでプリントアウトしたものが置いてありました。

それでも、オリジナル商品にはちがいありません。

「商品」がきちんとしたものでなければならないという意識は
少なくとも世間よりは低く、
「じゃあつくっちゃおうか」みたいなノリで
すぐに作って売り場に並べることもできるような、
そんな実現性のとても高い「会社」に思えました。

これって、一般企業からしても、学ぶところが大きいのではないかと思います。

見栄や体裁、同ジャンルの既出商品のレベルにこだわって、
アイデアがなかなかかたちにならない。
いい企画を出してもすぐ「却下」。

そういう環境にいる人たちにとって、
いきいきと働けて、自分を認めてもらえる機会の多いべてるは、
理想の職場かもしれません。

「べてるの家」は、「普通」の生活を送っていればいるほど理解されにくい不思議なところです。
特に私の記述だけでは全く不完全な情報だと思いますので、ぜひ他の方が「べてる」を訪れられた感想もネットで検索するなどしてお読みください。

たとえば http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Icho/4875/kangae/kangae_06.htm
などです。

長くなりましたが、これにて北海道旅行報告はおしまい!

最後まで読んでくださって、ありがとうございました!






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最終更新日  2006年09月02日 00時06分45秒
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