昨日は午後国立医科学センターでドーピング・コントロール・オフィサーの更新講習がありましたが、午前中ヒマでしたので、ナタリーさんの誘いで、ご主人に乗せてもらい、車で10分ほどの里山が保存されているところへ、蝶の写真を撮りに行きました。
両側に低い丘陵があり、植林したわけではなくいろいろな樹種が生えている。間の谷間の一番奥には溜め池があり、そこから流れる水で下の田畑が灌水されている。小川には、ドジョウや水生昆虫、ヤゴなどが棲み、蝶の食草もあちこちにあり、花には蝶が訪れる。カラスやいろいろな鳥が林に棲み、木の実を食べて種を撒く。
私の家のある知多もこれと同じようなところが何処にでも見られたが、今では丘は削られ、溜め池は埋められて宅地化がすすみ、少なくなってきた。ここは、近くに住宅地があるが、保護されて、残されている。日本の原風景を見るために、カメラを持った人も多いし、小学生の団体も来ていた。
さて、目的の蝶はキチョウとツマグロヒョウモンだけで、ナタリーさんの蝶の写真の種類を増やすことは出来なかったが、ナタリーさんのブログで書かれていたように、面白い植物をみることができた。
どこかのおじさんがノササゲと教えてくれた。
鞘が弾けるとこんな形になる。マメ科にしては変わっている。色も鞘が紫色で種子が青く綺麗である
すぐ近くに別の豆のなるツルがあった。こちらは色も汚いし、種は黒い色をしていた。何故こんなに違うんだろう
ここで、植物の繁殖戦略を考えてみる。植物は子孫を出来るだけ他の場所(もっと条件のよいところ)へも増やすために、いろいろな作戦を考える。
風で遠くへ飛ばす作戦。
果肉で被って、鳥(カラス)に食べられて運んでもらう作戦。
アケビも鳥に食べられる作戦を選び、熟すとわざわざ目立つ色になり、種の周りを甘い果肉で包んだ。芸が細かい。
マメ科の植物は鞘の中に通常硬い種子があり、周りには甘い果肉もない。普通、鞘が弾けると種が遠くへ跳ぶようにできている。だから、目立つ必要もないし、甘い果肉で包む必要もない。
ところが、このノササゲというやつはマメ科の中では明らかに変わり者である。わざわざ目立つ色に塗ってしかも弾けても種がついたままである
私の出した結論はこいつはマメ科だが、鳥に食べられる作戦を選んだ変わり者ではないかあるいは人間の興味を誘って人間にばら撒いてもらう作戦か
そこで、ナタリーさんに注文ですが、私の仮説を裏付けるために、もう一度行って、種をしゃぶってみて、味を見て来て欲しい。
私は理科系、ナタリーさんは文科系、ササゲの料理法も随分違うでしょう
追加でもうひとつ載せましょう。
これはアメリカセンダングサ、イノコヅチやヌスビトハギと並ぶくっつき虫の代表選手だ。こいつらは、目立たぬ色で草むらに潜んでいて、通りかかる人や動物にくっついて運んでもらう作戦を選んだ。上の赤トンボは近くに弱ったのがいたので、飾りにのせてみた。