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カテゴリ:『エスパー魔美』
父親は画家で、娘の魔美が
ヌードモデルをするという設定が エスパー魔美には、あります。 藤子マンガでも、他の少年漫画と比べても お色気シーンが多い、という特徴があります。 それは、読者(少年たち)への ちょっとしたサービスだったかもしれませんし または、非常に重苦しい話を、緩和させる クッションであったのかもしれません。 ■エスパー魔美は現在、大全集では2巻まで発売されています。 ■ エスパー魔美 2巻の目次 『黒い手』収録 エスパー魔美は、子供の頃に 全巻読んでいるので、話は大体覚えていますが 目次を見て、むかし出合った衝撃を思い出しました。 『黒い手』という話です。 ■ 雨の中、激しく怒る青年と、帽子をかぶったおじさんがいる。 ■ おじさんは、二本指を青年に見せる。 ■ そして翌日、1本の指を青年に突きつける。 ■ 指の数は、死刑宣告の数字であった… ■ 実は、青年は交通事故で、おじさんの子供を跳ねたのだった… ■ 魔美はおじさんに直接会い、説得をする。 ■ 魔美は、高畑くんに知恵を借りるも、どうにもならなかった… ■ 魔美は超能力で、おじさんを止めるも、おじさんは何度も何度も立ち上がる… 青年は、不注意でおじさんの子供を跳ねてしまった。 刑務所へ入り、罪を償い、出所した。 おじさんは、奥さんも交通事故で亡くしていた。 1人息子の成長だけを、ずっと楽しみにして生きていた。 しかし、それも絶たれてしまった… 魔美が、おじさんの心の中をのぞくと 子供が生まれたばかりの思い出に溢れていた。 魔美は、涙が止まらなくなってしまう。 おじさんは、殺人鬼と化していた… 超能力で、おじさんの行動は多少、操れたとしても おじさんの心までは、変えることはできなかった。 もはや、誰にも止めることは、できなかった。 そして、おじさんは実行に移ってしまう… 幸い、私は、おじさんの立場になったことも 青年の立場になってしまったことも、ありません。 正確にいえば、「まだ」なってないだけで 「これから」なってしまうのかもしれません。 交通事故は、毎日起きています。 いつ、加害者にも被害者にも、なるか分かりません。 おじさんの持つ殺意も、深い悲しみを背負った人間として 当然の感情でしょう。「犯人を憎むな」というのは無理というものでしょう。 では、命を奪われたら、相手の命も奪っていいのでしょうか… 幼かった私には、魔美のヌードシーンよりも(この話には出てきませんが) こうした社会哲学が重くのしかかり、衝撃を受けました。 こうして、私はエスパー魔美によって 自分のとるべき行動は何か、法律や裁きとは何か 人としてどうあるべきか、哲学を考えるようになりました。 この話だけでなく、哲学的な話は、多く出てきます。 ドラえもんにも哲学が多く含まれていますが 主に人生哲学です。エスパー魔美は死や犯罪などが絡む 大人向けの、社会哲学が含まれており 藤子哲学が潜むマンガでもあると、私は思っているのです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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