楽天モバイル「Rakuten最強プラン」と楽天の財務状況
2023年2月14日に発表した2022年12月期決算は、最終赤字が3728億円と過去最大となった。赤字の最大の要因は、携帯基地局などの設備投資がかさんだモバイル事業(4928億円の営業赤字)。銀行や証券などを除く非金融事業の社債や借入金は、1.7兆円を超え、今後3年間で償還を迎える社債の合計額は9000億円と財務状況は一段と厳しくなっている。 具体的な返済時期と額は、2023年は780億円、2024年は3,325億円、2025年は4,760億円。 楽天が公募増資を行って3,000億円を調達すると報じられた。財務状況が悪化した楽天格付けは「BB」という“投資不適格”。 もう楽天は詰んでいる。公募増資と楽天モバイル“最強プラン”の悪手で崖っぷちへ=栫井駿介2023年5月25日 MONEY VOICE … (略) … とにかくお金が無い 5月16日に楽天は3,000億円の公募増資を行うと発表しました。なぜその必要があったかというと、楽天モバイルのために各地に基地局を建てた結果どんどん赤字が膨らみ、多くの社債や借入を起こして借金が膨らんでいるからです。 格付けはついに「BB」という“投資不適格”というところまで落ちてしまいました。 財務状況は誰がどう見てもヤバいということで、楽天銀行を上場させ、楽天証券も上場させようとしています。直近では西友の株を売却するという話も出ました。 今回の公募増資も、このお金集めの一環ということです。 ― 引用終り ― 5月24日、楽天グループは2、公募増資の新株発行価格を1株566円に決定し、関東財務局に有価証券届出書を提出した。同日の終値は584円でディスカウント率は3.08%。第三者割当増資と合わせた手取り概算額は、最大約2942億円。 2023年5月11日、楽天モバイルがKDDIとの新たなローミング協定を締結したことが発表された。6月1日以降、これまで対象となっていなかった東京都23区・名古屋市・大阪市の一部繁華街にもローミングエリアを広げ、さらに「Rakuten最強プラン」で、ローミング活用のパートナー回線エリアにおけるデータ通信量の制限(月5ギガバイトまで、超過後は通信速度が最大毎秒1メガビットに低下)も撤廃する。 楽天モバイルが財務面で完全に詰んだ時、KDDIの傘下入り、あるいは身売りが想定できる環境となった。楽天モバイルを継続して使える可能性が増えた、と肯定的な解釈をする人はどれほどいるだろうか。