テーマ:人工知能(230)
カテゴリ:サイバーパンク
トランプ元米国大統領がはやらせた言葉の筆頭は「フェイクニュース」だろう。本当に偽のニュースもフェイクニュースだが、自分の意に沿わないニュースもフェイクニュースと断定する様は、喜劇のようでもあった。 独裁的な指導者が公の場で声高に気に入らない情報をニセ、陰謀、謀略、フェイクだと決めつけるのは、マスコミが発達した現代では、ヒトラー以来の伝統芸となっている。 有名どころではヒトラー、トランプ、プーチンなのだろうが、国家の指導者、大企業のトップから居酒屋飲んだくれにいたるまで、ひときわ偏った見解による独断に基づく意見を表明する人物はそこら中に存在する。 「馬鹿が俺らの嘘を本気にしている」… 極貧地域、クラスの4割が毎日5本執筆の実態 集英社オンライン / 2023年5月29日 12時1分 … (略) … 「ジェノサイド」や「ウクライナ軍によるロシア領内への侵入・攻撃」というフェイクニュースが、今回の侵攻の口実に使われていたのだ。ウクライナでもフェイクと思しきニュースが流れており、両国によるフェイクニュースの情報戦が盛んだ。 本書の冒頭でも述べたが、ロシアは、西側諸国に「新型コロナウイルスのワクチンは効かない」というフェイクニュースを流し、逆に、ロシア国内では「ワクチンは効く」というニュースを流している。 フェイクニュース自体は、昔から「デマ」「虚言」など表現は違っていたかもしれないが、存在していた。ただ、私たちも世間話の中で、相手の話が信頼性の足らないものだと感じた時には「それは、フェイクニュースではないの?」と問う場面が増えてきたように感じる。 これほどまでに「フェイクニュース」という言葉が私たちの日常に広まったのは、米国のドナルド・トランプ前大統領のおかげともいえる。トランプ氏が大統領に就任する前後は、米国の世論に主要メディアが偏向的な報道を流しているとの不満が高まっていた。トランプ氏は主要メディアに対して、ツイッターを使って「フェイクニュースだ!」と攻撃を続け、喝采を浴びた。 … (略) … 「平均年収5万円の村で......」フェイクニュース製造村の実態 では、権力者以外に誰がフェイクニュースをつくるのか。NHKが2018年に取材した「フェイクニュース村」を紹介したい。 この村の名は「ヴェレス」といい、マケドニアという東ヨーロッパのバルカン半島南部にある小さな国に存在する。米ニューヨークから飛行機を乗り継いで、20時間かけて首都スコピエのスコピエ・アレクサンダー大王空港(現・スコピエ空港)に到着。そこから南に50キロほど車で走ったところにある。 人口約4万人のヴェレスは、住民の月収が5万円程度と豊かとは言えない地域だ。取材をしたNHK佐野広記ディレクターによれば、この町では市民がこぞって英文のフェイクニュースを作成し、PVを稼ぐことで収益を得ているのだという。 面白くできるポイントだけ書き換える 「耳にピアスして『渋谷で遊んでいます』みたいな感じの大学生が、取材に応じてくれました。『米国人はバカだ』『オレたちはあるわけがない嘘を書いているのに、奴らは本気にして読むんですよ』『すごくたくさん読まれてボロ儲け。けっこう楽なんだ』と軽いノリで小遣い稼ぎをしている。ヴェレスでフェイクニュースをつくっているのは200~300人とのことでした」 マケドニアは英語圏ではない。単語だけを調べて、英語の記事は中学で習ったレベルの文章にするのだという。ゼロから取材して書くのではなく、「CNN」などのニュースサイトからテキストを引っ張ってきて、加工ソフトで面白くできるポイントだけ書き換える。 例えば、トランプ氏が「メキシコとの国境に壁を造る」というニュース記事は、文章の大半はそのまま使いつつ、一部を「ネバダに収容所を造ると言っている」などとセンセーショナルに書き換えてしまう。普通のニュースサイトのような文章に仕立てあげ、作成した記事を自分のウェブサイトに掲載、そこに広告配信サービスを埋め込む。読者が広告を見たり、クリックしたりすれば、広告料が入るという仕組だ。 放課後に毎日5本ペースでフェイクニュースをつくる高校生 「放課後に毎日5本ペースでフェイクニュースをつくっているという高校生が言うには『クラスでも4割くらいがやっているよ』。自宅での取材時に母親がいたのですが、驚いたことに母親は息子を叱るどころか『もっとやれ』と。『ちゃんとつくりなさい』と催促し、キーボードを打つ子供の手が止まると『私が助けてあげる』と言って手伝うのです。著名な女優の名をあげて、『怪我したとか、大変な目にあった、みたいに書けばいいじゃない』『そうだね、お母さん』というやりとりにはビックリしましたよ」 ― 引用終り ― Chat GPTの発達と普及により、より巧みなフェイクニュースが作り放題となった。フェイクニュース製造村の繁栄も長くは続かないだろう。 Chat GPT的な技術で動画の作成までできるようになれば、多くのYouTuberが討ち死にする未来も想像できる。 今のところAiは、画期的なことを発想できる人工知能のレベルにはなっていないが、たくさん知識を蓄えたエリート層のレベルは凌駕している。多くの「知的労働者」「研究者」が不要とされる時代が迫っている。 須藤 修 1(東京大学) 人間を肉体的制約から解放しようとする日本政府の施策方針が「ムーンショット目。標」 下記のサイトで日本政府が打ち出している「ムーンショット目標」は、フェイクではない(と思う)。 社会の流れというのだろうが、遍く実現した暁には新しい生活様式の創設どころか、「ヒト」が無用の存在と化すヒトにとってのディストピア出現が推測できる。 内閣府 公式サイト 2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現 ターゲット 誰もが多様な社会活動に参画できるサイバネティック・アバター 基盤 ・2050年までに、複数の人が遠隔操作する多数のアバターとロボットを組み合わせることによって、大規模で複雑なタスクを実行するための技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。 ・2030年までに、1つのタスクに対して、1人で10体以上のアバターを、アバター1体の場合と同等の速度、精度で操作できる技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。 注:サイバネティック・アバターは、身代わりとしてのロボットや3D映像等を示すアバターに加えて、人の身体的能力、認知能力及び知覚能力を拡張するICT技術やロボット技術を含む概念。Society 5.0時代のサイバー・フィジカル空間で自由自在に活躍するものを目指している。 サイバネティック・アバター生活 ・2050年までに、望む人は誰でも身体的能力、認知能力及び知覚能力をトップレベルまで拡張できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を普及させる。 ・2030年までに、望む人は誰でも特定のタスクに対して、身体的能力、認知能力及び知覚能力を強化できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を提案する。 ― 引用終り ―
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最終更新日
2023年06月04日 06時00分09秒
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