生活保護問題で、生活と健康を守る会と共産党長野市議団共同で厚生課と交渉。
生健会と党市議団が、生活保護問題で以下の内容で総勢25人が、福祉保健部長や厚生課長などと交渉した。長野市長 鷲沢正一様保健福祉部長 宮尾和榮様2006年1月27日日本共産党長野市議団 団長 原 田 誠 之長野生活と健康を守る会 会長 安 藤 初 子申し入れ書 市民の福祉向上のためにご尽力いただき感謝申し上げます。 さて、現在日本社会は「新自由主義」の経済路線のもと、日本経済と国民生活に大変深刻な影響を受けています。生活保護世帯、就学援助を受ける児童・生徒、貯蓄ゼロ世帯の激増など貧困と社会的格差の広がりが重大な社会問題となっています。 長野市でも生活保護受給者は 3.5‰となり、就学援助を受ける児童・生徒は10年間で倍増し、またホームレスの人々が多く見受けられるようになりました。 憲法25条で保障された人間らしい暮らしの保障が今こそ切実に求められています。そのためには市民の最後のよりどころとなる生活保護制度の活用が切実です。しかし残念ながら多くの人たちが最後のよりどころとして厚生課の窓口を訪れても、心ない言葉に傷つき、自尊心を傷つけられ、就労活動を強要され保護申請さえできないまま、帰されています。 憲法25条を守り、人間らしい暮らしを取り戻す最後のよりどころとして厚生課の窓口の対応を改善するよう以下のことを申し入れます。1. 明らかに保護対象となる人にも、就労活動をすることや、社会福祉協議会の貸付制度の利用などを「助言」して申請をさせないという態度を改め、保護申請を受け付けること。2. 「自立支援プログラム」のもとに働きたくても働けない人たちに就労を強制し、従わない場合は「指導・指示」による保護の停止・廃止を行うことはやめ、真に保護受給者が社会的に自立しうるよう、親身な支援・援助をするよう改善すること。3. 保護申請・決定・保護費の支給まで一ヶ月以上かかっているがこれでは生活できないことは明らかであり、つなぎ資金2万円で生活できる期間で支給まで行うこと。4. 相談者への対応は懇切丁寧に行い、人権侵害をおこなわないこと。5. 若い職員だけでなく、経験ゆたかな人権感覚に優れた専門の職員を配置するなど、厚生課、特に保護担当の職員を増員すること。懇談に当たり、団を代表して挨拶した。「小泉内閣のもと、規制緩和や負担の押し付け、リストラなど暮らしは大変。生活保護世帯も100万世帯と急増。長野市でも、国保滞納者は12000世帯、就学援助児童・生徒は小中で3600人、生活保護申請者も急増です。先日マスコミは生活保護問題で報道していましたが、行政の冷たい仕打ちで、前途有望な青年がリストラにあい、職探しに奔走、さがせずに、最後のよりどころ役所に行ったが保護が受けられず、借家でうつぶせで座ったままなくなっていたことが報道された。長野市ではそんなことのないように、誰もが安心してこの長野市で過ごせるように、厚生課と懇談をもつことになりました。」と一言述べた。(要旨)保健福祉部長は、「生活保護制度は困窮者の自立を支援もので法にのっとり対応している」と挨拶した。懇談では、 長野市の生活保護の実態について聞いた。●H12年度は保護世帯743世帯が、H17年度12月末では1、118世帯、年々100世帯ほど増加しているとのこと。 職員一人当たり、保護世帯100人も担当しているというから、すさまじい。これでは各世帯や一人ひとりの自立を支援するために、懇切丁寧な相談・対応は出来るのかと心配になってきた。 関係職員が知らず知らずのうちに、本人の思いとは裏腹に、それこそ無感覚で乱暴対応になってしまうのか。人権をもっとも大事にする部署であるのに。上司の対応など改善が求められることを痛感した。●さらに、相談件数と申請件数、および開始件数はどうなっているかとの質問があった。過去6年間を示したが、紙面の関係でH17年度のみを書き込む。H17年12月末 相談件数433件、申請数153件、開始数140件。相談があっても申請を受け付けない。水際で「対象となりません。お帰りください」と相談者が納得しないまま返されていることがよくわかる。Sさん、「自律神経失調症、うつ病と腰痛もちで、休むこと多く十分に仕事が出来ず、収入少なく役所へ相談に来た。保健の解約と車を処分しろといわれた。借金あり自己破産してからこいといわれた。市役所は事務的にしか対応してくれない。 妻と子ども二人とも障害者で、病院に行くにも何するにも車がないと生活できない。実際に苦しいとき、お金のことでは親戚も助けてくれない。 最後の手段としてきているのに、もっと家の実情を調べ、親身になって相談に乗ってもらいたい。はねつけないでほしい。」と苦しい家族や自らの日々の暮らしに思いが募り、泣きながらの訴えには参加者はもちろん、理事者も考えさせられたのではないか。ある参加者は、「この場で直ぐに、今の人の申請を受け付けるべきだ。」と厳しいく申し入れた。 長野市も一歩間違えば、マスコミ報道と同様の事態が起きても不思議でない。交渉は30分の予定が、あっという間に1時間がたった。 理事者は「時間です。」といって帰っていった。 交渉の後参加者は○はじめてきた。市役所は誠実でないことがわかった。○職員一人に生活保護者100人の自立支援の指導、相談対応は無茶だ。人 間の尊厳を守って親切な対応は出来ない。○もっと運動を広めていくことが重要。全国の先進の取り組みなどを調査し、運動を広め生活保護行政を正して生きたい。また、国は、生活保護の補助金を削っている。 国への要請運動も理事者とともに強めたい。