世界の後発医薬品業界がまた大きく変貌ししそうな気配
2011年5月8日(日)世界最大の後発医薬品のテバ(イスラエル国籍)が世界同時多発M&Aを再び活発化。テバが今何を考えているかを知るためにも。5月2日に買収したセファロンのことをメモっておきたい。昔CEOに直接インタビューしたとき、日本の市場についてはゆっくり浸透させていく。今はアメリカを優先してるとの返事でした。しかし、日本についても再びアクション開始。 テバという会社はイスラエルの田舎の医薬品会社だった。M&Aを40回ほど繰り返して世界最大の後発医薬品会社になりました。1998年頃だったか、メリルリンチの医薬品アナリストのテバに関する30ページ近いレポートを読んだけど、すさまじいの一言。M&Aの神様みたいな人ですね。CEOの彼は年に2,3回ほど。イギリスでM&A研究でも有名なEdinburgh Business Schoolの教授に会いに来ていて、授業にも出席していて終わってから、当時、生徒の一人だった僕も彼にインタビューしたもんです。今から10年ほど前ですね。とても親切でやさしいおじさんという感じでしたね。日本進出は時間をかけてじっくりやる。当面は北米市場を優先して事業をやっていくという返事でした。医薬品産業はglobal 従って、アナリストも世界の医薬品市場を分析していかないと話にならないけど、残念ながら、日本にはそこまでやってるアナリストは一人もいないでしょう。日本の薬品会社の海外ビジネスを集計するだけにとどまっているのが残念ですね。 (参考までに、Financial Timesは世界のMBAコースのデータを集め、評価して ランキングを発表してますが、このEdinburgh Business Schoolはランキングには 載ってないです。学校が拒否してます。交渉学は英政府の代表的人物。会計の先生は イングランドの会計より優秀と自負するスコットランド会計士協会の元会長。この先生は すごかった。毎日アメリカの会計がいかにデタラメかの漫談風解説でしたね。 なお、Edinbrgh 大学とは無関係です。エディンバラ大学のMBAコースは最悪。 ケーススタディは年間15社程度。) Cephalon ナスダック上場。ここ3ヶ月ぐらいで55ドルから80ドル近くまで株価は急騰してます。 FTの会社概要説明:Cephalon, Inc. is a global biopharmaceutical company dedicated to discovering, developing and bringing to market medications to improve the quality of life of individuals around the world. The Company is engaged in providing medicines to patients in several therapeutic areas, with a particular focus on central nervous system (CNS) disorders, pain, oncology, inflammatory disease and regenerative medicine.The Company markets numerous branded and generic products around the world. In total, Cephalon sells more than 150 products in nearly 100 countries. The oncology research program includes two main therapeutic targets: solid tumors, which are associated with a range of cancers, and hematological cancers, including acute myeloid leukemia (AML), multiple myeloma and myeloproliferative disorders (MPD). In August 2009, The Company acquired Arana Therapeutics Limited (Arana). 後発薬、最大手テバ、国内3位買収、大洋薬品を400億円で医療費削減追い風。2011/05/03, 日本経済新聞 朝刊1面, 後発薬世界最大手のテバ・ファーマシューティカル・インダストリーズ(イスラエル)は後発薬国内3位の大洋薬品工業(名古屋市)を買収する方針を固めた。買収額は400億円前後とみられる。新薬より3割安い後発薬の市場は医療費削減を急ぐ米欧や新興国で急拡大しており、海外では後発薬メーカーを軸にした医薬の再編が加速している。世界の後発薬大手は社会保障費用の圧縮で後発薬の普及が見込める日本市場にも注目しており、日本でも後発薬を巡る再編が活発になりそうだ。テバは大洋の創業家などから過半数の株式を取得し経営権を握る。大洋の2010年3月期の売上高は468億円。当期純利益は26億円。 テバの10年の売上高は161億ドル(約1兆3000億円)と国内最大手の武田薬品工業と同水準。後発薬の豊富な品ぞろえを持ち、規模を生かして大量生産した医薬品原料(原薬)を安価に輸入できる。大洋の生産設備を生かし、低コスト製品を国内に供給していく。テバは05年に日本法人を設立し08年には日本では中堅製薬会社の興和と後発薬の合弁会社の興和テバを設立している。テバは生産では大洋、販売は興和テバを中心にする戦略とみられる。大洋、興和テバを含めると、テバグループの後発薬の売上高は日医工を上回り国内首位となる見通し。 テバは昨年、世界4位の独ラチオファーマを約4350億円で買収するなど各地域でM&A(合併・買収)を加速している。 2日には米バイオ医薬品のセファロンを68億ドル(約5500億円)で買収することで合意。新薬分野でも影響力を高めつつある。国内の後発薬メーカーは小規模な企業が乱立しており、最大手の日医工でも10年11月期の売上高は643億円でテバの約20分の1にとどまる。国内の後発薬市場は約8000億円。医薬品全体に占める後発薬の比率は数量ベースで2割程度で、5割以上の欧米に比べ普及が遅れている。後発薬は新薬と比べ通常3割程度安く、半額のものもある。年間約35兆円の総医療費の2割弱は薬剤費が占めており、現在処方されている新薬が後発薬に置き換わるだけで医療費の削減効果は大きい。 厚生労働省は医療費を抑えるため後発薬の使用を促進。現在2割程度の使用率を12年度に30%まで引き上げる計画だ。 ===================================後発医薬品の市場構造、販売チャンネルの今後の変化。ドラッグストアのビジネスコンセプトの変貌など。次の銘柄選択をどう考えるべきや。スーパーとドラッグストアの境界問題も。医薬品の通販販売など、考える材料多しですね、 相場が景気減速を折り込み、物色テーマも変わりつつあるようにも見えます。少しでも、考える材料になればと思ってアップしました。