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テーマ:郵政民営化(50)
カテゴリ:街・建物
郵政民営化にともない、赤字基調の日本郵政は、
現有の固定資産を有効活用するため、一等地に建っている局舎の リニューアル・プランを次々に実行に移そうとしています。 東京駅・丸の内口南側に建っている東京中央郵便局もその一つ。 (下の写真の赤矢印) ただしこの建物は、僕が活動にかかわっている検見川送信所と 同じ設計者である旧逓信省の吉田鉄郎氏の設計によるもの。 明治のレンガ積み・石造りの華美な建築物に対して、 シンプルで機能的なコンクリート造りで、 いわゆる『モダニズム建築』と言われる様式です。 そのモダニズム建築の代表選手として数えられるのが、 この東京中央郵便局。 しかし、シンプルであるがゆえに素人目には 目立たず、逆にみすぼらしさが見え隠れして、 保存に値する建物には見えません。 なので、建築家たちの声もむなしく、 保存運動は潰えてしまい、高層ビルへの建て替えが決まり、 工事が始まりかけています。 ところが、日本郵政が『かんぽの宿』で 政治問題に発展していたかと思うと、 今度はこの東京中央郵便局に飛び火してきました。 政治家いわく 「登録文化財ほどの、日本を代表する価値のある建物を、 日本郵政はいとも簡単につぶそうとしている」と。 しかし僕に言わせると、この期に及んで 政治家が唐突に「保存」の声を上げるのはいかがなものか、 と感じます。 もし本当にその政治家が「保存に値する」というのであれば、 なぜ、建築家が熱心に陳情をしていた時期に 声を上げなかったのでしょうか。 一部解体作業が始まっているだけに、 「何を今さら」という印象を禁じ得ません。 再開発が中断すると、年間数百億にも及ぶ収入源が断たれる上に、 建設会社からも相当の違約金を請求されてしまうんです。 これでは日本郵政は浮かばれませんし、 一政治家の偽善的な言動で、 保存運動を展開していた建築家の皆さんが 日本郵政から恨まれることになってしまうようで、 とても不本意に感じます。 どこが問題!郵政民営化 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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