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テーマ:最近のできごと(48)
カテゴリ:ビジネス・経済・政治
テレビ東京の人気経済番組『カンブリア宮殿』で、
数年前にゲスト出演した『ワタミ』の渡辺美樹社長が、 レギュラー出演者の作家・村上龍氏と やり取りした内容が、今さらながら話題になっているようです。 渡辺氏「『無理』というのはですね、嘘吐きの言葉なんです。 途中で止めてしまうから無理になるんですよ」 村上龍「?」 渡辺氏「途中で止めるから無理になるんです。 途中で止めなければ無理じゃ無くなります」 村上龍「いやいやいや、順序としては 『無理だから→途中で止めてしまう』んですよね?」 渡辺氏「いえ、途中で止めてしまうから無理になるんです」 村上龍「?」 渡辺氏「止めさせないんです。 鼻血を出そうがブッ倒れようが、とにかく一週間全力でやらせる」 村上龍「一週間」 渡辺氏「そうすればその人はもう無理とは口が裂けても言えないでしょう」 村上龍「…んん??」 渡辺氏「無理じゃなかったって事です。実際に一週間もやったのだから。 『無理』という言葉は嘘だった」 村上龍「いや、一週間やったんじゃなくやらせたって事でしょ。 鼻血が出ても倒れても」 渡辺氏「しかし現実としてやったのですから無理じゃなかった。 その後はもう『無理』なんて言葉は言わせません」 村上龍「それこそ僕には無理だなあ」 最近、ワタミに勤務していた新入社員の女性が 超過勤務が原因でうつ病になり自殺を図った事件があってから、 同社はいわゆる『ブラック企業』ではないか、 と取りざたされています。 さらに、同社が経営している特養ホームでの 入居者の変死事件で、渡辺氏が遺族に暴言を吐いた、 という話も伝わっています。 僕は同社の社員でもなく、当事者でもないので、 ことの真偽はよく分かりません。 ただ、上の村上龍との対話で考えていくと 『無理』という言葉をどう受け取るかで、 一つ考察すべき点があると思います。 一例として、 プロのアスリートは、自分の身体を作るために、 たとえば腕立て伏せを限界いっぱいにやり、 「もうこれが限界!」というところで、 なおも踏ん張って何回かこなすことによって、 筋肉が増強されることを知っています。 この倣いで解釈すれば、 「もう無理!」 という段階で、なおも実行するから、 仕事の能力がついてくる、という理屈もあるはず。 渡辺氏はそれを言いたかったからかもしれません。 ただ、今は精神論だけでことが収まらない時代です。 他にラクに処理できる方法があれば、 それを採用するに越したことないかもしれません。 僕が経営者だったら、 どんなに「この、甘ちゃんめ!」と言われようが、 ラクにできるほうを取るかな? と思います。 渡辺氏にとっては、最近のワタミに対するアウェイ感は 青天の霹靂かもしれませんが、 「名経営者の1人」として一目置いてきた僕にとって、 一連の話は残念に思います。 それにしても今ごろになって 何年も前のテレビ番組のもようが出てくるのも 何か唐突な感がしなくもありません。 参議院選挙に立候補を表明した同氏を けん制する何らかの勢力が この話を意図的に流布しているんでしょうか。 どうもそういうふうにひねくれて考えてしまいます。
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最終更新日
2013年06月20日 21時58分17秒
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