カテゴリ:詩、俳句、短歌、川柳、都都逸等
私が購読しております日本経済新聞は、このブログでも再三指摘していますように、名前と違って意外や文化欄が充実しています。 朝鮮通信史から題材をとった連載小説「韃靼の馬」は、通信史一行が大阪に到着し、これから陸路をたどることになります。今日は通信史の朝鮮役人が、大阪の米相場市場を見学しているところ。後場の取引がすべて先物取引であることに驚いている様子が描かれています。 『洪舜明がけげんそうな様子でたずねた。 「米はいったいどこにあるのですか?」 「米はここには一粒もありませんよ」 唐津屋が微笑を浮かべ、おっとりした調子で答える。』 世界広しといえど1700年代に複雑な先物取引を行っていたのは、日本の大阪米市場だけであったというのは経済史において、あまりにも有名な事実です。 その連載の上には、歌人の小池 光が書く「うたの動物記」。日曜日だけの楽しみです。 今日取り上げられていた動物は「タニシ」 皆さんは、タニシの鳴き声をご存知か? 松山中学校教師時代、しきりに子規に句稿を送って批評を乞うていた漱石の句。 よく聞けば田螺(タニシ)鳴くなり鍋の中 永井荷風はこう詠んでいます。 しのび音も泥の中なる田螺哉 圧巻は北原白秋 かはづの啼くはころころ、田螺の啼くはころろよ ころころ、ころろ、ころころ 萌え来(こ)よ、春の下(した)ん田(だ) なんとタニシは、「ころろ」と鳴くのであった。 「田螺鳴く」は春の季語、同じく「亀鳴く」も春の季語。 「蚯蚓(ミミズ)鳴く」なら秋の季語。 鳴かないものが鳴く三大季語なのだそうです。 新聞と共に「ごろり」と寝転び、「ごろり、ごろごろ、ごろろ、ごろり」と鳴いている我は、いかにしたものか。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年04月18日 12時57分40秒
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