カテゴリ:詩、俳句、短歌、川柳、都都逸等
昨日のお昼過ぎに当地富山県の高岡を発って、飛騨は高山へ行ってまいりました。奥飛騨温泉郷の古びた温泉旅館に一泊し、たった今帰ったところです。 ・・・・・ 君は~いでゆの~ ネオン花~♪ あゝ~奥飛騨に あ~めぇ~が降る~♪ 盲目の音楽家竜鉄也が歌い大ヒットした奥飛騨慕情、案に違わずホテルの夕食時の宴席では、各会場から奥飛騨慕情の歌声が、あちらからもこちらからも聞こえてまいりました。 奥飛騨温泉郷は、その名のとおり人里離れた山あいにあって、我々を乗せたバスは、アスファルトこそしてあれ車がすれ違うにも難儀するような狭い山道を登って行ったのでした。私たちがホテルに到着したころには、確かに小雨が降ってまいりましたが、どこを見回してもうっそうと茂る森の木々が濃い影を落とすばかりで、赤や黄色のネオンを目にすることはできませんでした。 ・・・なるほど、奥飛騨慕情の作者は、心眼で出湯のネオン花を見たのに違いない。 ならばと、私もホテルの部屋の窓際に立ち、しばらく瞑目してみたのでしたが、どうしてもネオン花を見ることができなかったのは、残念で心残りなことでありました。 いやネオン花を見に来たのではなかった、温泉の湯に浸かり、日頃の疲れを癒そうと来たのであった。 思い直して温泉に浸かりに下りてみれば、これが実に立派なお風呂場で、檜風呂に岩風呂、打たせ湯に寝湯、130センチの深さの立ち湯、露天風呂のエメラルド色のうぐいすの湯は混浴というふれ込み。・・・ナニ!混浴だと? 露天風呂の敷地に別に囲いがあって、そこから先にあるうぐいすの湯に入るには、男性は腰に専用のバスタオルを巻いて入場して下さいと注意書きが貼ってある。ご丁寧なことには、そのそばには等身大の男性のマネキンが、腰にタオルを巻いて立っていました。 混浴などという経験は今だかってありません。意を決して私も腰にタオルを巻いてみたのでありました。 薄暗い大きな浴槽に身を沈め、ぼんやりとした灯の向こうを伺ってみれども人影は見えず。ならばと待つことしばし、・・・さらに待つこともうしばし、のぼせて来るのを我慢しながらもうしばし、・・・やはり出湯のネオン花を見ることは叶わなかったのでありました。 後でホテルの仲居さんに聞いたのですが、女性にはさらに大きなバスタオルが用意してあって、胸から下をそのバスタオルで覆って入浴するのだということでした。 宴席が終わってからもう一回、朝早く起きてさらに一回。都合3回、ゆっくりと温泉に身を沈め、 ・・・・ 未練残した 盃に 面影ゆれて また浮ぶ あゝ奥飛騨に 雨が降る と、一人口ずさんでみたのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年06月22日 19時10分24秒
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