カテゴリ:本
今読んでいる本。 浅田次郎著「王妃の館(シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ)上」。
私はフランスの近代史については、まったくの不勉強で、1789年のバスチーユの牢獄襲撃に始まるフランス革命と、その後のナポレオンの登場程度を知るだけです。 フランスのブルボン王朝の絶頂期が、ルイ14世の時代であったということも、ルイ14世が太陽王と呼ばれたことで、かろうじて知るばかりです。 その太陽王ルイ14世が寵姫のために建てたという「王妃の館」、今はパリ随一の敷居の高さを誇る超高級ホテルとなっている。 「王妃の館」を舞台にして、16世紀(光・ポジ)と現代(影・ネガ)が交錯するストーリー展開に、読者はどっぷりと嵌ってしまう。 こともあろうに倒産寸前の日本の旅行会社が、気位ばかりが高くて実は経営がやはり左前のこの超高級ホテルを抱き込んで、ダブルブッキングのツアーを組む。 昼に滞在する客(光(ポジ)ツアー)は10日間で150万円、夜に滞在する客(影(ネガ)ツアー)は19万円という旅行代金にもあきれますが、このツアーに参加した客もみながみな訳ありで、ひと癖もふた癖もある者ばかり。 いかにも危うそうに見えるこのダブルブッキングされたツアー、両方の組の客が鉢合わせしないように周到に計画されているものの、計画というものは往々にして計画通りに進まぬのが常。思わぬハプニングの連続に、読者はハラハラ、ドキドキしながらも、ツアー客のユニークな個性と行動に捧腹絶倒は免れません。 前半のクライマックスは、このツアーの目玉、「王妃の館」の老コンソルジュが客に聞かせる「王妃の館」の主、ルイ14世の寵姫ディアナとその息子プティ・ルイの生い立ち。 はたしてこのハチャメチャなツアーの結末はどうなるのか?ディアナとプティ・ルイは王宮に戻ることができるのだろうか? ![]() にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年05月07日 16時55分15秒
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