カテゴリ:遊遊漢字学が楽しみ♪
毎週日曜日のお楽しみ、漢字学者阿辻哲次氏の日経連載「遊遊漢字学」。 今日阿辻先生が取り上げた漢字は、「贔屓(ひいき)」。いかにも漢字らしい漢字ですね。おそらく読むことはできても正しく書ける人は少ないのじゃないか思われますが、現代では「贔屓筋」などというように、「特定の人を援助する。応援する」というような意味合いでしばしば使われますから、聞きなれた言葉ではあります。 しかし、その語源をたどると、古代中国の想像上の動物であったとは知りませんでした。これも想像上の動物である皇帝のシンボルとされた「龍」には子供が9人いて、その内の一人が「贔屓」であったと、阿辻先生は教えてくれています。 カメに似た体型をしていて、すさまじい怪力の持ち主。重いものを背負うことを得意としていたので、大きな石碑を載せるのが仕事であったと。中国の宮殿や寺院にある石碑には、しばしばおおきな亀の形をした台座に載っていることがあるが、この亀が「贔屓」なのだと。 そこで調べてみると、「贔」は貝(財貨)が3つ合わさった形で、重い荷を背負うことを意味し、「屓」は財を戸(家)の内にためることを意味する。漢字音は「ひき」で、これが長音変化し「ひいき」と発音するようになったとありました。 ちなみに「龍」の9人の子ども「竜生九子」について調べてみると、「贔屓」の他に 螭吻(ちふん) 形状は獣に似ている。遠きを望むことを好む。 蒲牢(ほろう) 形状は竜に似ている。吼えることを好む。 狴犴(へいかん) 形状は虎に似ている。力を好む。 饕餮(とうてつ) 形状は獣に似ている。飲食を好む。 蚣蝮(𧈢𧏡、はか) 形状は魚に似ている。水を好む。 睚眦(がいし、がいさい、やず) 形状は竜に似ている。殺すことを好む。 狻猊(さんげい) 形状は獅子に似ている。煙や火を好む。 椒図(椒圖、しょうず、じょくと) 形状は貝にも蛙にも似ている。閉じることを好む。 とありましたが、いずれも私の乏しい知識の外。見たことも聞いたこともありませんね。もっとも想像上の動物ですから、見たこともないので当たり前か。(笑! この竜生九子(りゅうせいきゅうし)と呼ばれる9人の子どもは、いずれも親である龍になることはできなかったといいますから、「龍」は子宝には恵まれたのでしょうけれど、子どもの質には恵まれなかったと言えましょうか。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月24日 11時27分07秒
[遊遊漢字学が楽しみ♪] カテゴリの最新記事
|
|