カテゴリ:遊遊漢字学が楽しみ♪
毎週日曜日のお楽しみ、漢字学者阿辻哲次氏の日経連載「遊遊漢字学」。 本日阿辻先生が取り上げた漢字は「頁」。 普段我われがよく見かける漢字ですが、これ「ページ」ですよね。私のパソコンのソフトは「ページ」と入力すると、「ページ」「頁」の順で変換候補が出て来ます。 字引きで「頁」を調べてみると、「頁」の音は「ケツ」または「ヨウ」。訓読みは「かしら」「ページ」とありました。 ・・・驚きましたね。訓読みをカタカナで表記する漢字、他にありますかね。 なにしろ本家本元の中国でも、「ホームページ」のことを「家頁」と表記するということですから。 なぜ「頁」が「ページ」と読まれるようになったか、阿辻先生はその訳をわかり易く説明してくれています。 「頁」はひざまずいた人間の頭部を強調した形なのだとか。なるほど、それで「かしら」とも読むのか。それで「顔」「頭」「額」に、「頁」が使われている理由がわかりますね。 一方「頁」の音読みは「ケツ」の他に「ヨウ」とも読み、音から想像できるようにこの時は「葉」と同じ意味になる。「葉」は「1枚の紙」という意味を持つ漢字で、袋とじの書物のページを「第〇葉」というように表現した。 しかし、「葉」は画数の多い漢字だからいかにも面倒。そこで同じ音を持つ「頁」をあてるようになった。こうして「頁」にページという意味がそなわり、やがてそちらが主流になったのだと。 現代の我々は、確かに本などでは「第〇ページ」と呼びますが、いまだに「一葉の写真」だとか、「一葉の手紙」などという表現が残っているのは、何となく文学的なにおいを感じさせます。 これが「一頁の写真」となると、せいぜいで「1ページに掲載されている写真」というような意味合いになってしまって、そこには「一葉」から感じとることができる「ささやかな」、「ほんのちょっとした」といった趣が抜けてしまって、まったく興ざめですね。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月24日 11時55分37秒
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