カテゴリ:ひとり言
わが国にはその土地その土地に根付いた独特の言葉、言い回しがあります。一口に方言と云ってしまえばそれまでなのでしょうけれど、お国言葉といえば印象がずいぶん違ってきます。何となく温かみを感じますよね。 わが故郷北陸富山の郷土ことばについては、過去このブログでも何回かご紹介してきましたが、私の独断で選んだユニークな「富山弁」ベスト3をあげてみたいと思います。 ベスト1、「きときと」。 食べ物の中でも特に魚介類などの海産物が新鮮であることを、富山では「きときと」と言います。今の季節なら、魚屋さんへ行けば、「今朝浜で揚がったばかりのブリやちゃ。きっときとやぞ」(今朝浜で揚がったばかりのブリです。新鮮ですよ)などという声が必ず聞けます。 ちなみにより鮮度の高さを強調する時は、「きっときと」と最初の「きと」を詰めて発音します。しかし後の方の「きと」まで詰めることは決してありません。「きっときっと」と言ってしまうと、「かならず、かならず」という意味になってしまいますね。(笑! ベスト2、「チンチンボンボ」 。 これは「肩車」のこと。この表現は最近では若い世代ではあまり使われなくなったようですが、比較的年配の方は、まず「肩車」とは言わないでしょう。ごく自然に「チンチンボンボ」と言ってしまうようです。(笑! 「チンチンボンボ」を前後二つの言葉に分けると、まず後半の「ボンボ」は、「おんぶ」の音便が変化したものだということが直ぐわかります。問題は前半の「チンチン」。単独ではどう考えても男性器の幼児語としか解釈できませんが、もしかしたら「頂(ちょう)」から来ているのかも知れないと、俄か言語学者( ← 私のことです・・・笑!)は想像しています。 ところが同じ「チンチン」でも、県西部高岡市からさらに南部に位置する砺波市の山間地方では、正座をすることを「(お)ちんちんをかく」といったりするので驚かされます。お客様の前で小さな子供が行儀悪くしていると、その家のおばあさんなんかが、子供をたしなめてこう言います。 「(お)ちんちんかいておられ!」(行儀よくしていなさい!) このときの「チンチン」は鎮座の「鎮(ちん)」から来ているのでしょうけれど、まあ、知らない人がお聞きになれば、「このお婆さん、いったいどこを搔けと言っているのだ」と思ってしまいますでしょうね。(笑! ベスト3、「あやまちの医者」。 「過ちの医者だなんて、そんな医者にかかりたくない。富山にはまともな医者はいないのか」と思われた方、ごもっとも。(笑! これも年配の方に多く見られる言い方ですが、「あやまち」とは当地では、「怪我」「外傷」のこと。捻挫や打ち身をしたとき、接骨院のお世話になられた方、誰だっておありでしょう。そう、「あやまちの医者」とは接骨院(柔道整復師)のことを言うのでした。 ベスト3と言いましたが、もう一つおまけであげておきましょうか。 オマケ、「気の毒なぁ」。 当地のお年寄りなどは、「あれぇ~、気の毒なぁ。そんなことしられんでもいいがにぃ~」(まあ、申し訳ありません。そんなことまでなさらなくていいのに)などと言いますが、どうして「気の毒なぁ」が「申し訳ありません」になるかというと、相手の気に毒になるようなことを強いてしまった、すなわち気を遣わせてしまったから、申し訳ありませんと言っているのです。たえず相手の立場に立ってものを言おうとする富山県人らしい言葉遣いです。 貴方のお住みの地方では、どんなお国言葉がありますか? ![]() にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年12月11日 11時50分06秒
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