カテゴリ:遊遊漢字学が楽しみ♪
毎週日曜日のお楽しみ、漢字学者阿辻哲次氏の日経連載「遊遊漢字学」。 今週阿辻先生が取り上げた漢字は、「臭」でした。 一口に「におい」といっても我々は、「臭い」と「匂い」とに使い分けしていますね。字引きで調べると、「匂い」は「におう。かおる。かおりがする」、「おもむき。雰囲気」、「つややかで美しいさま」に対して、「臭い」は同じ「におい、におう」でも「くさい。いやなにおい」、「臭気、臭味」、「悪いうわさ。よくない評判」と文字通り芳しくありません。 最近では近くに寄って来た若い娘さんが、イヤな顔をして私から遠ざかることがしばしばありますが、これはどうしたことでしょうか。「匂う」のであればいいのですがね。どうも「臭う」ようです。(笑! このようにわが国では、「臭」は「くさい」とも読み、もっぱら「悪臭」や「異臭」、「加齢臭」(書きたくありませんでしたが)のように、「好ましくないにおい」という意味で使用しますが、本家本元の中国では、「その臭は蘭のごとし」と『易経』に書かれているように、芳香をも意味する漢字だったと阿辻先生は指摘されています。 「臭」は「自」と「大」に分けることが出来ますが、「自」は人の鼻を正面から見た形をかたどった象形文字。「大」は「犬」の最後の一画を省略してもので、もともとは「臭」と「自」の下に「犬」と書くのが本来の字であったということです。 すなわち、嗅覚が非常に発達している犬が自(鼻)を使って「においをかぐ」ことから「臭」となったと、阿辻先生は教えてくれています。日本では「臭」と最後の一画を省略して書くようになったが、中国では今でも「臭」と本来の意味を表す「犬」を使って表記していると。 ほぉ~、そうすると漢字の本家本元の中国では、「加齢臭」などといういまいましい言葉はないのかも知れませんね。では、日本で私などがたびたび後ろ指を指されている「加齢臭」なる「におい」は、どういう漢字で表記するのでしょうか? まさか「加齢"匂"」とは書かないでしょうけれど・・・。(笑! にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月24日 12時09分49秒
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