カテゴリ:遊遊漢字学が楽しみ♪
わが国は言わずと知れた法治国家。国を治めるのは法律というわけです。国民の代表が国民の投票によって選ばれ、その代表が法律を作る。その法律に則って行政が施策を執行し、司法が法に反する行為をしたものを裁くという仕組み。 毎週日曜日のお楽しみ、漢字学者阿辻哲次氏の日経連載「遊遊漢字学」。 令和2年初めてとなる「遊遊漢字学」。阿辻先生が本日取り上げた漢字は「法」でした。「法」にはいかなる意味が込められているのでしょうか。 我われは、三権分立については、中学3年の社会の時間に習いましたね。 これが古代社会ではどうだったか。阿辻先生は、「古代社会では人間の理性による認識と判断で物事を処理するのではなく、なんらかの方法で超自然的存在の力を借り、それを中心として社会が運営されていた。裁判においても同じように、私たちの常識とはまったく異なった方法で判決が下されていた」と言っておられます。 そもそもこのことが「法」という漢字の由来であると、阿辻先生は教えてくれています。 まあ、法律などという概念が整備されるのは、ずっと後の時代になってのことですから仕方がないといえばそれまですが、古代中国では神意によって判決が下されたというのです。 このときに出て来るのが中国お得意の想像上の動物である一角獣の「解廌(かいち)」。天が瑞祥として地上に出現させるというこの神秘的な動物は、ものごとの当否や善悪を判断できる能力が備わっていて、「解廌」はウソをついている人間を角で突いたと伝えられているのだとか。「解廌」に突かれた方が敗訴。突かれた人間は川に流し去られたというのです。 すなわち「水」と神獣の「廌(ち)」と「去る」から「灋」という文字が作られ、後になって画数の多い「廌」の部分が削られて「法」になったと。 ・・・ふ~む、法律の「法」には、神獣の存在があったと。 ならば、その「灋」という漢字が作られてよりはるか2000年以上も後のこと、大陸の東方洋上に位置する島国で、その島国が定めた外国為替法や会社法の特別背任の罪で収監されながらも、15億円という保釈金をポンと支払い保釈を勝ち取り、これまた保釈中の身の上ながら裁判を待たずに不法な手段で海外に逃避したという、かの眉毛の濃い男を神獣の前に立たせてみたいものですな。 果して「解廌」の角は、かの男の胸を貫くものか、濃い眉の間を貫くものか、はたまた何十億という札束の方を突き刺すのか。よもや神獣に躊躇いなどないと信じたいです。 ・・・なに、躊躇いなく札束の方を突くだろうですと? う~ん、自信がなくなりかけて来ました。(爆笑! にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月24日 12時11分26秒
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